あなたの所に届いた突然の訃報。
でもあなたは様々な理由によって葬式に行きたくないと考えています。
そんな時は行かなくても良いのでしょうか。
はたまた、無理してでも行くべきなのでしょうか。
今回は、葬式に行きたくないよくある理由、行かない場合のデメリットや行かなかったとき最低限すべきことについて解説いたします。
葬式に行きたくないよくある理由
葬式という場が基本的には行かなければならない大切な場と理解していても、「行きたくない」という気持ちが出るのは仕方のない事です。
では、「行きたくない」と思う理由はどのような事があるでしょうか。
人それぞれ様々な理由があるでしょうが、一般的に多い理由は以下になります。
親戚付き合いが苦手・おせっかいを言われることが苦痛
親類の葬式であれば、避けて通れないのが親戚付き合いですよね。
葬式には一日中儀式の為に同じ場所に居合わせなければなりませんし、
待ち時間も長かったり、食事も一緒に取らなければならない事も多いです。
そのような状況ですから、おせっかいを言われるのも避けては通れないでしょう。
しかし、ホントつっかれた…うちは別にお金持ちではなく普通の家だけど、葬式で集まったこの二日間で二度ほど結婚はまだかと聞かれて、少しイラッとした(^_^;)日頃ろくに交流もいない相手に余計なお世話だよwwwwこれだから親戚付き合いなんて面倒
— 紫苑六花@亜沙アコライ10/26参戦 (@shionrikka) 2011年12月28日
これはある程度の年齢になってくると男女問わず言われることが多いですよね。
親戚にとって悪気無い一言でも、自分にとっては余計な一言と思ってしまいます。
私も独身の時には「結婚はまだか。」、結婚すれば「子供はまだか。」と同じ質問を違う人から何度もされて辟易した事があります。
そのように言われて嫌な顔をすれば、それこそまた親戚達に新たな話題を提供してしまいます。
ここは笑ってスルーするしかないですね。
生前の付き合いが希薄だった
親類、仕事関係、また同じコミュニティに属していたメンバーだからと言って、親しい間柄だったり密に付き合いがあるわけではない人の葬式に呼ばれると面倒に思うのはとても分かります。
正直、特に関わりがない自分が学業や仕事を休んでまで行く意義があるのかなと思ってしまいますよね。
しかし、一度このように考えてみてはいかがでしょうか。
葬式は故人とのお別れの為でもありますが、一方では残されたご遺族の為でもあると考えるのです。
ご遺族の心の整理をつけるために葬式は必要なものと考えることができます。
あなたはその葬式を形作るのに大切なキャストなのです。
そして、そのご遺族とはまたいつ、どこでお世話になるか分かりません。
自分にも形は違えど返って来る事もあるのです。
宗派が合わない
これは私の祖母が亡くなった時の事です。
遠い親戚の一人が仏教からキリスト教に改宗したから仏教式の葬式には行きたくないと言って来なかったのです。
仏教式の葬式のやり方に疑問を持っていたそうです。
ただ祖母にとっては顔を見せに来てくれるだけでも良かったろうに、と寂しくなりました。
このようなパターンは稀ですが、よくあるのは宗派の違いです。
同じ仏教でも幾つも宗派があります。
参列する方は、その家の宗派のしきたりに則って参列する必要があります。
もし呼ばれた家の宗派と自分の家の宗派が違う場合、予め調べたり葬祭場に聞いたりしなければなりません。
間違えると恥をかいてしまうと思うと、更に葬式に行くのに憂鬱になってしまいますね。
その家の宗派のしきたりにどうしても納得が出来ない場合は、ご遺族と話し合いをするしかないです。
葬式に行かない場合のデメリット
ここまで葬式に行きたくない理由を幾つか挙げましたが、ここではもし葬式に行かなかった場合のデメリットについて例を挙げていきます。
あなたが子供の場合は親が白い目で見られる
あなたが行きたくないからと言って行かなかった結果、非常識だと言われても仕方ない事です。
しかし、あなたの親への世間の見方も大きく変わってしまうと言う事も知っておくべきです。
普段親戚、隣近所の付き合いをしているのは主に親ではないでしょうか。
誰しも面倒と思える付き合いがあってこそ、平穏にやっていけるのです。
そこに子供が葬式に来ないとなると、詮索や陰口の材料になってしまいます。
葬式後も延々と関係は続いて行くのに、居心地が悪くなるのは損しか生みません。
葬式は頻繁にある事ではないですし、親を立てると言う事も大事な仕事と思って望んだ方が良いのです。
田舎だと村八分状態になる
この現代においても古い慣習が残っている田舎はまだまだあります。
例えば隣組や五人組と呼ばれる組織があります。
それらは近隣住民同士助け合いと同時に相互監視、連帯責任を負わされるという制度です。
そのような制度は正式にはもうありませんが、未だに残存している地域もあります。
それに属している家で冠婚葬祭があれば、段取りや手伝いを引き受けなければなりません。
葬儀の手伝いですよ。「弔い組」「隣保班」「隣組」ともいいます。
お付き合いがなくても(正直顔もわからない)、お通夜の受付から火葬場までの手伝い要請があります。朝7時から…え、年代じゃなくて地域性の問題?
— やまぐち|物書き「静岡クラフトビアマップ」制作 (@aka_22) October 9, 2019
私の実家の方でも五人組の制度が濃く残っています。
葬式がある度、私の両親は会食の手伝いや仕切りの為に初七日までは仕事を休んで出向いていました。
それが出来なければ、自分の家で何かあった時に助けて貰えかったり、集まりから省かれてしまうものだからです。
それは相当な面倒事ですが、田舎で生きていく上でやむなしと言う事もあるのです。
自分が周りからの信頼を無くす
葬式に出られない特別な事情がなく、あなたが「今」だけを優先して葬式に行かなかったとします。
しかし今後も葬式に出なければならない場面は必ず訪れます。
年齢を重ねるごとに人付き合いは増えていきますし、葬式に呼ばれることも多くなります。
そのたびに「行きたくない」という理由で行かないのであれば、周りからは「情が無い」、「常識が無い」と思われてしまう可能性があります。
親族関係では最悪縁を切られるでしょう。
ご近所関係ではその地域に住みづらくなることもあります。
会社関係では人望に影響を与えて、評価の面でシビアに見られてしまいかねません。
行きたくないという理由で葬式に行かないということは、それほどの事だということを理解しておきましょう。
故人との最後のお別れの機会を失う
葬式は故人と過ごせる最後の機会です。
葬式が終わってしまうと、二度と故人の顔を見る事が出来なくなります。
この機会を逃して本当に後悔しないか考えてみて下さい。
昔、無理をして行こうと思えば行けた葬式に行かなかったことがあり、今になって「行けば良かった」と思っています。そのときは「無理をしてまで行くほどではない」と思っても、たった一度きりのチャンスなので、やり直しはできないからです。
— 菊地まゆ子 (@mayuchang) 2010年10月19日
後悔を引きずって生きるのはしんどいものです。
どんなに故人との思い出が小さくても、ぼんやりとしか覚えていなくてもそれが今の自分を形成しています。
ですから、是非最後に顔を見て感謝を伝えてみましょう。
自分が喪主になった時に段取りが分からない
葬式に参列する事は度重ねても、取り仕切る事には慣れないものです。
そして、ほとんどの人は突然喪主にならなければなりません。
たとえ大方を葬儀社のスタッフに任せるとは言っても、喪主としてやらなければならない事は沢山あります。
しかも悲しみや動揺を抱えながらです。
どんなに多くの葬式に参列している人でも喪主を務めるのは大変です。
いつか自分にもその役目が回って来た時に慌てないようにという心積りで周りを見てみましょう。
葬式というのはどのような流れで、誰がどのような事をしているのか見ておいて損する事はありません。
葬式に行かないときに最低限すべき事
上記のデメリットを理解したうえで、それでも葬式に行かないと決めた場合でも最低限するべき事があります。
まず、葬式に呼ばれているならなるべく早く欠席連絡をする事が大事です。
そして葬式で慌ただしいであろうご遺族に時間を取らせないよう、なるべく手短に簡潔に伝えましょう。
また、理由も「どうしてもやむを得ない事情がありまして」、「遠方なので」のように、内容は具体的に伝えないようにします。
それをした上で、故人への弔いの意や遺族への慰め、励ましの意を表す為にすべき事がこちらです。
弔電を打つ
弔電は各通信会社が行っている電報サービスを利用して、葬儀の前日まで届くようにします。
送る際のあて名は喪主の名前をフルネームで書きましょう。もし喪主の名前がわからない場合は「故人の名前+御遺族様」と書きます。
会社関係での葬儀では弔電の書き方に規定がある場合もありますので、必ず上司に確認をしましょう。
また、弔電を打つ際は、忌み言葉や重ね言葉などの禁忌とされている言葉を使わない、簡潔な言葉を送る事を心掛けます。
尚、送ったら遺族の方に一報を入れると丁寧です。
弔電はネットからも簡単に申し込めます。
相場の金額の弔電を打っておけば、とりあえず義理は果たせます↓
香典を送る
香典は現金ですので、必ず現金書留の封筒で郵送しましょう。
そして、可能であれば弔電とはまた別に手紙を添えるとより丁寧です。
ちなみに香典の金額は、行われる葬儀の形やあなたと故人の関係性、あなたの年齢や地域柄などによって変わってきます。
いくら包めばいいのか判断に迷ったときは、一度周りの人に相談しましょう。
香典を郵送する際の詳しいマナーはこちらを参考にしてみてください。
できれば供花を送る
供花を送る際は周りに相談をし、できればご遺族に一言伝えておくと良いでしょう。
また、宗教・地域・葬儀会場などによって適切な供花は変わりますので、送る際に適切な花やサイズがわからない場合は担当の葬儀社へ連絡をし、相談をしてください。
一般的な仏式であれば下記に記載している供花で大丈夫です。
送るタイミングとしては、通夜前日から通夜に間に合うように届けます。
金額の相場は1基が15,000円~20,000円位(1対ならその2倍)をみておきましょう。
葬儀場から供花を注文することができる場合は、下記のようなカタログが置いてあるので葬儀担当者に問い合わせて下さい。
供花はネットで注文して送ることもできます。
ネットでは、税込み・送料無料15,000円のものが相場です。
私が両親の一般葬で喪主を務めたとき、頂いた供花は9割がたこちらのタイプでした。
1対でなくても、1基で15,000円のものを1基送れば大丈夫です。
葬式に行きたくなくてもなるべく行くべき
ここまで葬儀に行かない場合のデメリットなどをご紹介してきましたが、葬式に行きたくないと思ってもできるだけ葬式には行くべきと私は思っています。
(体調不良の方、妊娠中の方、ご高齢の方等理由がある場合はもちろん除きます。)
葬式に行けば先に挙げたように、面倒な親戚付き合いがあったり、手伝いをやらされたりと大変なことも多いでしょう。
それでもやはり葬式は、行くことによるデメリットよりも行かない時のデメリットの方が大きいです。
また、葬式という場は、あなたの人生経験になります。
今の自分は一人で育ってきたのでは無いという事を思い返したり、故人の人生に触れたりする経験から学ぶ事があるのです。
私は祖父、祖母の葬儀に出た時、次は親、そのまた次は自分の番なのだな…と世代の移り変わりを感じました。
また、故人に対していろいろな立場の人が語るのを聴くことも、これからの人生の教訓になりました。
このように考えられる機会というのは、人生においてそう多くは無いです。
葬式に行きたくないときのまとめ
葬式に行かなくても、やらなければいけないことや気苦労は結構あります。
どちらがあなたにとって良い選択なのか、今一度良く考えてみましょう。
最後にまとめておきます。
- 葬式に行きたくない主な理由はこの3つ
- 親戚付き合いが苦手・おせっかいを言われることが苦痛
- 生前の付き合いが希薄で、行く意義が無いと感じる
- 宗教、宗派が自分の信仰しているものと違うから
- 葬式に行かない場合のデメリット
- あなたが子供で葬式に出なかった場合、親が親戚やご近所から詮索や影口の標的になってしまうことがある
- 田舎だと村八分状態になり、自分の家で何かあった時に助けて貰えなかったり、集まりから省かれる
- 周りから「常識が無い」、「情が無い」と思われ、縁を切られたり評価が下がる可能性がある
- 故人との最後のお別れの機会を失ってしまう
- 葬式を取り仕切る番になった時に段取りが分からない
- 行かないときに最低限すべき事
- なるべく早く欠席の連絡をする
- 葬儀の前日までに弔電を打つ
- 相場を確認した上で香典を送る
- できれば供花を送る
- 葬式に行きたくなくても特に理由がなければなるべく行くべき
- 行くことによるデメリットよりも行かない時のデメリットの方が多いから
- 人生経験になり、教訓も得られる貴重な機会と捉える事
口には出さなくても、葬式は面倒だし行きたくないと思っている人は実は多いです。
そう思っていても行く人が多いのは、行かなかったときのデメリットを考慮して行く場合がほとんどです。
ですが、葬式に行くか行かないかを最終的に決めるのはあなたです。
どちらを選んだとしても、後悔のないようにしましょう。
なお香典を後日郵送する方法については、以下の記事をご覧になって下さい。