あなたが訃報を受け取ったときに、遠方に出張中だったり体調不良だったりすると、お通夜や告別式に参列することができません。
遺族に対してどうしてもお悔やみやお弔いの気持ちを伝えたいときにはどうすればよいのでしょうか。
そんなときには、「弔電」であなたの思いを伝えることができます。
では、弔電はどんなタイミングで届くようにするとよいのでしょうか。
お通夜の前までに届けた方がよいのでしょうか、それとも告別式当日に間に合わせればよいのでしょうか。
個人で弔電を送る機会はそうたくさんはないかもしれませんが、知っておくといざというときに落ち着いて対応できます。
今回は、弔電が喪主に届くのはどのタイミングがベストなのかについて解説いたします。
弔電を届けるベストなタイミングはお通夜?それとも告別式?
弔電は、告別式の弔辞の後や出棺前の遺族代表あいさつの前に読まれるのが一般的です。
送る側からすると告別式に間に合うように送ればよいと考えてしまいますが、それでは喪主が困ってしまうことがあります。
実は、弔電を届ける最適なタイミングは、「お通夜の2時間前からお通夜が始まる前まで」が目安なのです。
その理由について考えていきます。
「お通夜の前までに」が弔電を届ける目安
あなたが弔電を届けるタイミングについて判断するときのポイントが2つあります。
1つめのポイントは、喪主が弔電の内容を確認する時間がとれるように送るということです。
2つめのポイントは、喪主や遺族が葬儀会場にいてくださる時間帯にめがけて弔電が確実に届くようにするということです。
そのためには、喪主のお名前のほかに、お通夜や葬儀・告別式の開始日時、会場をきちんと把握しておくことが大切です。
この2つのポイントから考えると、弔電は葬儀や告別式の少し前までには葬儀会場に届くようにすればよいことになります。
この項の見出し「お通夜の前までに」と合わなくなってしまいます。
しかし、遺族の状況を考えると葬儀や告別式の前日に行われるお通夜の前までに届いているとよい理由があります。
この後の項で、告別式で読み上げられる弔電を前日のお通夜の前に届けることに疑問を感じていらっしゃるあなたに、もう少し詳しく理由をお話しします。
弔電は早めに届けたほうがよい理由
どうしてそんなに早く届けるの?
告別式の少し前まででいいんじゃない?
と思われるのは当然ですが、早めに届けたほうがよい理由を知ると、なるほどと思っていただけるはずです。
弔電が告別式の直前に届いたのでは喪主は対応できない
まず、式の直前では困る理由からお話を始めます。
葬儀や告別式の直前に届いても、喪主は対応ができないからというのがその理由です。
近年では葬儀屋さんが式全体を取り仕切ることが多くなっているので、喪主は、遺族や葬儀屋さんに弔電の披露の仕方について相談しながら決めていくことになります。
どなたからの弔電かを確認し電文を読んだ上で、どの弔電を披露するかを判断していきます。
あなたが喪主側の立場だったら、いつまでに届いてると助かりますか?
式が始まる3時間前には弔電に関する打ち合わせをしたいですよね。
あなたが遺族や親族ではなく、故人ととても近しい関係にある場合には、電文を披露される可能性が高くなります。
ぜひ披露したいと思う電報が式の直前に届いたら、遺族側は大あわてになって、ペースが乱れてしまいます。
また、あなたのお名前だけが披露されることになったら、喪主や遺族は、一旦決定した順番を見直さなくてはなりません。
故人や遺族に向けられたあなたの電文がどんなに心がこもっていて素敵な内容でも、相手の状況への配慮が不足しているとあなたの思いがうまく伝わらないことになってしまいます。
さて、これで、葬儀や告別式の直前ではなく、式開始の3時間前ぐらいまでには届けておいたほうがよいということははっきりしました。
でも、それでは不十分なのです。
その理由を次の項でお話しします。
葬儀や告別式が午前中なら当日に弔電を送っても間に合わない
告別式当日の3時間前に届けるのが難しいことがあるということについてお話しします。
葬儀や告別式の開始時刻が午前10時だった場合、3時間前に届けることはほぼ不可能です。
電報サービスのほとんどは、午前8時が朝一番に届けられる時刻です。
中には、午前8時~午前11時というように、ある程度の幅をもって届けられる場合もあります。
私は見つけることができませんでしたが、たとえ真夜中に配達してくれるサービスがあったとしても、喪主や遺族にとって弔電を送ってもらうことは本来とても有難いのだけど、体を少しでも休めたい時間帯に受け取らなくてはならないという状況は歓迎できません。
ということは、電報は葬儀や告別式の前日、つまりお通夜の後までには届けたほうがよいことになります。
葬儀や告別式が午後に行われ、3時間前までに届けることができれば、一応届ける時刻はクリアできます。
でも、もし予定通り届かなかったらとあなたは心配になりませんか。
それなら、告別式の前日に届けておいたほうが安心です。
また、遺族側からすると、弔電披露については、できたら前日のお通夜の後には決めておいて、当日は微調整するだけにしておきたいです。
さらに、葬儀屋さんとの打ち合わせのことを考えると、お通夜の前までにある程度、弔電の受け取りが終わっていると余裕ができます。
つまり、弔電をお通夜が始まる前までに届けることが、遺族へのさりげない思いやりであると言えます。
訃報を受けてから、弔電の手配までの時間がないときには、24時間申し込みを受け付けているネット電報の利用をおすすめします。
たとえば、電報サービスのVERY CARD
では、14時までに申し込みを終えれば全国(一部地域を除く)即日配達が可能です。
届け先を入力すると、今日・明日中に届けることができる電報台紙のリストが表示され、その中から選ぶことができます。
また、弔電の例文集が用意されていて、急いでいるときには助かります。
さらに、配達の対象地域が限定されていますが、特急!サプライズ便
のサービスを併用すると、申し込み後4時間以内に電報を届けてもらえます。
弔電は早く届けばそれでOKではない
それでは、早ければ早いほどよいのでしょうか。
送るからには、確実に弔電を届けたいですね。
訃報を知った日がお通夜の前日だと、電報を送る手続きが早くできれば、お通夜の前日に喪主の自宅に弔電を届けることができます。
葬儀が喪主の自宅で行われる場合は、早めに送っても確実に届けることができます。
しかし、あまりに早く届くと、前から準備をしていたような感じを与えてしまうことがありますからおすすめできません。
自宅以外の会場だと、お通夜の前日に喪主や遺族は自宅か葬儀会場かどちらにいらっしゃるのか判断に迷います。
早めに送ることはやめたほうがよいですね。
また、お通夜の日でも早い時間帯だと、喪主や遺族が会場に移動していないことが考えられます。
葬儀が自宅以外で行われる場合には、喪主はお通夜の開始時刻の2時間前には会場に入ります。
喪主や遺族のもとに確実に弔電が届き、喪主の負担にならないのは、お通夜の2時間前ぐらいからお通夜が始まる前までの時間帯ということになります。
告別式に間に合わない場合は弔電をあきらめる
訃報を知るのが遅かったり、故人が亡くなってから日にちを空けずにお通夜が行われるような場合は、お通夜の前までに弔電を届けることが難しくなります。
このようなときは、告別式に間に合うようにできるだけ早く届ける手配をします。
「お通夜の前までに」というのは、ベストのタイミングですが絶対のルールではありません。
ただし、弔電がどうしても告別式に間に合わないと分かったときには、電報でお悔やみを伝えることをあきらめます。
遅れて届くのは失礼だと捉える遺族がいるかもしれないし、葬儀会場に弔電が届いたときには遺族が会場を離れてしまっている可能性もあるからです。
次のツイートは、告別式までに届かないので、弔電の申し込みができず、切ない思いをされた方のものです。
電報サービスの担当の方が、間に合わなくてもとにかく送ってしまおうという考えでなくてよかったと私は思います。
明日の14時の告別式までに届かない可能性が大、ということで弔電をお断りされてしまいました。いろいろと切ないですね。ちなみに場所はいわき市。
— miyako (@peneloppee) 2011年4月5日
弔電をあきらめなければならなくなったときは、後日、遺族の自宅宛てに手紙を送るか、直接訪ねるかして、お悔やみとお詫びの気持ちを伝えます。
告別式が行われる日は、喪主も遺族も手がふさがっているので電話には出られません。
電話やE-メール、SMSメッセージなどは、あなたの都合を優先させることになるので遺族に対して失礼です。
「弔電を届けるのはお通夜か告別式か」まとめ
弔電で哀悼の気持ちを伝えるには、喪主や遺族の状況に合わせることが大切なことが分かりました。
毎日、あわただしく過ごしていると、つい自分の都合を優先してしまいがちですが、お通夜や葬儀、告別式に参列する代わりに電報を届けるのですから、相手への配慮を忘れずに心のこもったメッセージを送りたいものです。
- 弔電を届けるベストなタイミングは、お通夜の2時間ぐらい前からお通夜開始の前まで
- 理由1 喪主が弔電の内容を確認し、披露する順番を決める時間が必要だから
- 理由2 葬儀会場に喪主や遺族がいて、確実に届くから
- 早すぎても、確実に届かなかったり、喪主や遺族から誤解を受けたりする
- 電報サービスのVERY CARD
は、24時間受け付けていて、当日に届くサービスを提供している - 間に合わないときには、弔電でのお悔やみをあきらめる
弔電に関するツイートを読んでいて気がついたことがあります。
告別式に間に合うように送るという方が結構多いということです。
申し込みがぎりぎりになってしまい、祈るような気持ちでいるというつぶやきもありました。
私も、弔電を届けるタイミングについて調べるまでは、「間に合わなくても遺族に思いは伝わるだろうし、葬儀会場に遅れて届いても破棄されることはないだろう。」と誰かの善意を期待して、ずいぶん身勝手なことを考えてました。
これからは、ルールを守るためではなく、遺族のことを思って、故人と遺族のお別れの時間を大事に思える人でありたいです。