一周忌とは、故人が亡くなってからちょうど一年目の命日のことです。
一周忌は親族やごく親しい友人、知人が招かれますが、あなたが夫婦や家族で出席することになった場合、香典はいくら包めばよいのでしょうか?
また、せっかく招待していただいたけれど、欠席する場合、香典はどうすればよいのでしょうか?
今回は、一周忌の法事に夫婦や家族で出席する時の香典相場について、欠席の場合も合わせて解説いたします。
なお、香典袋は以下のような「ふくさ」に入れて持参しましょう☟
香典を持参する頻度は割と多いです。
大切な香典袋がバッグの中で汚れるといけませんし、ふくさから取り出すとスマート。
香典袋を取り出す手元は意外と見られています。
【一周忌の法事】夫婦や家族で出席する時の香典の考え方
一周忌は年忌法要の中で最も重要な行事です。
法要の後にお斎(おとき)と呼ばれる食事がふるまわれ、引き出物をいただく場合もあります。
招かれた出席者として、自分の食事代や引き出物代、施主の方の金銭的な負担を助けるという意味で、一周忌の香典は必要です。
食事代等を除いた純粋な香典は、通夜・葬儀・告別式に持参する香典の半額~7割程度とされています。
そして一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌…と、年月が経つにつれ、法事に持参する香典の金額は少なくなっていきます。
一般的に、一周忌法事の香典相場はその後の食事の席に出席する場合、大人1人につき最低1万円となります。
香典代の中には接待を受ける際の食事代、いただく引き出物代が含まれます。
食事代の相場 1人5千円~1万円
引き出物の相場 3千円~5千円
上記の食事代、引き出物の相場から考えて、1人最低1万円は妥当ですよね。
このあと、夫婦で出席する場合、家族で出席する場合の基本的な考え方を解説します。
夫婦で出席する場合
では、夫婦で出席する場合はいくらになるのでしょう。
まず、香典は世帯で1つ用意するものなので、香典は夫婦で1つです。
夫婦で出席する場合の香典の金額は、食事代は夫婦で2人分、引き出物代は1つ分と考えます。
例えば、以下のように計算します。
- 香典5千円
- 食事代1万円×2名=2万円
- 引き出物代3千円
- 合計2万8千円
- 切り上げて夫婦で3万円
家族で出席する場合
また家族で出席する場合は、夫婦の香典代にお子さんの食事代分を上乗せします。
お子さんの食事代はお酒を飲める年齢かどうかで金額を調整しましょう。
- お子さんが19歳までの場合はおひとりにつき5千円で大丈夫です
- お子さんが20歳以上の場合はおひとりにつき5千円~1万円です
お子さんが20歳以上なら、体質的にアルコールを飲めない場合でもノンアルコールカクテルなどお酒と変わらない値段の飲み物もありますので、5千円~1万円としたほうが無難です。
大人、子供にかかわらず食事代に幅がありますが、食事会のお店のグレードに合わせて決めてください。
ホテルやそれなりの料亭の場合、食事代総額にサービス料が上乗せされることが多いので、高額になります。
そのような場所であれば、おひとり1万円の食事代としましょう。
以上の考えから香典総額を計算して、6万5千円などとなったときは千円代は切り上げて7万円としたいものです。
なぜなら法事の香典は、施主の金銭的負担を助けるという意味もあるからです。
余裕があるなら、その気持ちを上乗せした金額を包んだ方がよいでしょう。
一周忌の法事に夫婦や家族で出席する時の香典相場
香典の金額は、故人との関係性や年齢によって異なります。
それらを踏まえた上で、より最適な香典の相場をみていきましょう。
家族で出席する場合は前述のように5千円~1万円をお子さんの人数分上乗せして下さい。
祖父母の場合
夫婦で2~5万円が相場です。
ご家族なら(5千円~1万円)×お子さんの人数を上乗せします。
祖父母の一周忌だと、夫婦の年齢がまだ若い場合も多いでしょう。
あなた方夫婦の年齢を考慮し、無理のない金額で決めてください。
両親の場合
夫婦で3万~10万円が相場です。
ご家族なら(5千円~1万円)×お子さんの人数を上乗せします。
両親は一番お世話になった親族です。香典の金額も高くなります。
※あなた方が一周忌の施主を務める場合、香典は必要ありません。
兄弟姉妹の場合
夫婦で3〜5万円が相場です。
ご家族なら(5千円~1万円)×お子さんの人数を上乗せします。
祖父母と同じ二親等にあたる関係性ですが、あなた方と同年代の兄弟姉妹への香典の相場は高めになります。
おじおばの場合
夫婦で2~5万円が相場です。
ご家族なら(5千円~1万円)×お子さんの人数を上乗せします。
おじおばは、あなた方との交流の深さで金額が異なるでしょう。
その他親族、知人・友人の場合
夫婦で2万〜3万円が相場です。
ご家族なら(5千円~1万円)×お子さんの人数を上乗せします。
あまり多く包みすぎると、施主の方に気を遣わせてしまいます。
同じ立場で出席される方がいたら、相談して金額を合わせるとよいです。
以上のことから、
どの関係性であっても、一周忌の香典の相場は夫婦で3万円を基準とすると覚えておくとよいでしょう。
ご家族なら更に(5千円~1万円)×お子さんの人数を上乗せした金額としてください。
またあなた方の年齢や社会的立場によっても、金額を調整してください。
20、30代の若い夫婦なら相場程度で、40代以上の夫婦なら少し多めに包むようにするとよいでしょう。
法要のみの場合(食事なし)
夫婦で1万円〜2万円になります。
食事代がかからない場合は、香典の相場は控えめで大丈夫です。
故人との関係性や年齢などにより、調整して持参してください。
金額が少なくて気になるなら、供花やお供え物を持参してもよいでしょう。
供花の相場 5千円~1万円
お供え物の相場 3千円〜5千円
卒塔婆をたてる場合
卒塔婆とは、故人の供養に用いる細長い板のことです。
生きている人が、亡くなった人を供養する「追善供養」のために立てられます。
卒塔婆を立てる場合は、香典の金額に、5千円程度多く包みます。
※浄土真宗では、卒塔婆は使用しません。
一周忌を欠席する場合の香典
一周忌は大切な年忌法要のため、出来る限り出席するのがマナーです。
しかしどうしても都合が悪く欠席する場合は、どうすればよいのでしょうか?
1人だけ欠席の場合
基本的に夫婦2人で出席の場合と同額でよいと私は考えます。
それか1人分のお食事代を差し引いて少し少なめに包み、欠席者からとして「お供え物」を一緒に持参してもよいでしょう。
夫婦揃って出席できなくても、きちんとマナーを守って対応することで気持ちは伝わります。
2人とも欠席の場合
「御香典」か「お供え物」を一周忌の法要前日までに郵送しましょう。
欠席時の香典の金額は、2人分のお食事代を差し引いて少し控えめに包んでも構いません。
どちらの場合も、早めに施主に欠席の旨を伝えることが大切です。
香典で避けるべき金額とは?2万円は大丈夫?
「4」や「9」は、「死」や「苦」を連想させるため、避けましょう。
また偶数は、故人との関係が割り切れるというイメージから、一般的に避けるべきと言われています。
それでは2万円はどうなんでしょうか。
法事の香典で2万円は金額的に包みやすく、最近では問題ないとされることも多いです。
香典をお渡しする先の方が、1万円札2枚は偶数で割り切れることに嫌悪感を示されることが予想される場合は、万全を期して1万円札1枚、5千円札2枚とし合計3枚のお札をお包みすることをお勧めします。
それでも2万円が気になる場合は、香典1万円➕供花とお供え物を用意するとよいでしょう。
どの香典袋を使えばよい?金額別の選び方
お包みする香典の金額は決まったとして、次の問題はどの香典袋に入れたら良いか、ということです。
市販の香典袋は数種類あります。
今回ご紹介した金額別にどの香典袋に入れたら良いか、ご案内します。
香典金額が1万円、2万円、3万円の場合
この場合は、下記のような水引が黒白の香典袋を選びます。
水引が印刷されている香典袋は5千円までのものですから、使用しな方が良いです。
香典金額が5万円~の場合
香典金額が5万円からは下記のような水引が双銀の香典袋を使用します。
黒白よりも見た目が豪華になり高額の香典を包むのに相応しい香典袋です。
さらに双銀の香典袋でも10万円~の香典を包む場合は通常の大きさよりも一回り大きい香典袋や質感が豪華なものを使用する方が良いでしょう。
一周忌の法事に夫婦で出席する時の香典相場のまとめ
一周忌の香典を夫婦で用意する場合、相場の金額と香典に関する疑問点についてまとめました。
- 一周忌の香典の相場は?
- 夫婦で3万円を基準とし故人との関係性やあなたの年齢、食事会のグレードなどを考慮し適宜増減する
- ご家族なら(5千円~1万円)×お子さんの人数を上乗せする
- 法要のみの場合(食事なし)は、1万~2万円を基準に適宜増減する
- 卒塔婆を立てる場合は、5千円ほど多く包む
- 一周忌を欠席する場合は?
- 1人だけ欠席の場合・・・夫婦出席と同額でよい。それか、1人分のお食事代を差し引いて控えめに包み、別途「お供え物」を持参してもよい。
- 2人とも欠席の場合・・・「御香典」か「お供え物」を一周忌の法要前日までに郵送。香典の金額は少し控えめでもよい。
- 香典で避けるべき金額は?
- 4や9は避ける
- 偶数も避けた方が無難(但し2万円は概ね可)
- 金額別の香典袋の選び方
- 1,2,3万円は水引が黒白
- 5万円~は水引が双銀
※いずれの場合も、故人との関係性や年齢などにより調整する
一周忌の香典の金額は、きちんと決まっていないため、悩むところですよね。
故人との関係性や年齢の他に、地域やそれぞれの家によってもまた異なるものです。
夫婦、両親、親族、友人・知人など、周りで相談できる方がいれば相談するのが一番です。
少なかったかな?と不安になった場合は、お盆の時や、遺族のお宅を訪問する際にお供えを持っていくなどすればよいです。
一周忌以外でもあなた方の気持ちを伝える機会はたくさんあります。
あまり香典の金額や形式にとらわれすぎずに、故人を供養する気持ちを大切に、遺族の方々の負担を少しでも和らげることができるように心がけたいですね。
なお、香典袋の書き方については、以下の記事を参考にして下さい。
香典袋の中袋が有るか無いかで書き方が違いますので、該当する方の記事を参照してください。