半袖の喪服を葬儀の場で着てもよいのでしょうか。
結論は、「時と場合による」です。
一般的な葬儀のマナーとして肌を極力隠すことは、広く知られている常識です。
基本的に長袖を着ておけば、周囲の人から変な目で見られることはありません。
しかし、例えば、真夏にお墓に向かう時はどうでしょう。
炎天下で分厚い真っ黒のジャケットを着ていたら、どうなるかは想像に難くありません。
脱水症状や熱射病は命にもかかわります。
命を守ることが最も大切ですが、社会で生きていく以上、TPOも無視できません。
それを踏まえた上で、葬儀において、半袖の喪服がNGまたはOKなシーンを一緒に確認していきましょう。
喪服が半袖の場合はマナー違反になるのか
半袖の喪服だけでお葬式やお通夜に参列するのは、マナー違反になります。
理由は、極力肌を見せないのが葬式での一般的なマナーであるからです。
夏の喪服はキツいなあ 半袖ダメだなんて知らなかった〜
— 8cco🐽 (@8cco) August 15, 2019
このツイート主のように、意外と知らない人は多いようです。
女性は特に、ワンピースの形が多様なのでわかりずらいですよね。
ではそもそも、半袖の喪服とは具体的に何を指すのでしょうか。
まず男性であれば、一般的なスーツスタイルですよね。
半袖のジャケットスーツはないでしょうから、ワイシャツになります。
女性用の喪服は、種類が豊富にありますが、半袖のワンピースのことを指します。
半袖とは一体どれくらいの袖丈なのでしょう?
人によって捉え方がまちまちですが、実は辞書で引いてみると、ひじまでの長さしかない袖のことを指します。
- 洋服で、肘(ひじ)までの長さの袖。また、その衣服。
- 和服で、半幅(約18センチメートル)の袖。肌襦袢や仕事着につける。
(三省堂 大辞林 第三版より抜粋)
5分袖は、かなり微妙なラインですが、肘が隠れるか、隠れないかという観点で判別ができます。隠れなければ、半袖であると言えます。
また、肌を露出することがマナー違反ですので、ノースリーブも半袖と同様の考え方でよいでしょう。
まとめます。
- 男性なら、半袖のワイシャツ
- 女性なら、ノースリーブや半袖(肘より上の袖丈)のワンピース
以上にあげた服については、上着なしでの着用はマナー違反です。
次に、男性と女性の半袖について詳しく説明いたします。
【男性】ワイシャツは半袖でもよいのか
男性の半袖ワイシャツだけで着ることは、前述の通りNGです。
しかし、そもそも男性はジャケットを着用するので、逆に言えば、上着を脱がなければ半袖ワイシャツでも問題はありません。
暑がりの方は、半袖で行くのもアリですね。
ただし汗で上着が劣化する可能性がありますので、気にする方は長袖を着用しましょう。また、一部のシーンにおいては上着を脱ぐこともできますよ(後述)。
【女性】ワンピースは袖丈のバリエーションに注意
男性と同様、上着を羽織れば半袖でも問題ありません。
厳格な場で肌の露出は不謹慎ですので、極力避けたほうが良いでしょう。
また、ワンピースでも袖の種類が多様にあります。
ノースリーブ、3分袖、5分袖、7分袖、長袖などありますが、一般的なマナーとして、袖は長いほど格式の高い服装になります。
ワンピースに半袖が多いのは、オールシーズン着られるように配慮されているからです。
そして、それはあくまでも、ボレロなどの上着を着ることを前提にしています。
子供は半袖でもよいか
小学生までの子供は、半袖でも問題ありません。
特に小児は気温で体調を崩しやすく、環境変化で機嫌が悪くなったりしてしてしまうため、無理に長袖を着なくても大丈夫ですよ。
学生なら制服で行きましょう。
制服であれば、正装になりますので問題ありません。
半袖の喪服を着てもよい場面
待合室での待機時や、バスなどの移動時は、半袖でも問題ありません。
式中や、喪主へ挨拶する際など、改まった場面では必ずジャケットを着用してください。
また、上着を脱ぐ予定なら、下着が見えないように気を付けましょう。
そのためにはインナーを着用するのですが、インナーが半袖から見えるのもNGです。短めの半袖タイプのインナーがおすすめですよ。
男性なら、インナーの色をベージュにするとワイシャツから透けにくいです。
加えてベルトにも注意が必要です。黒色で派手ではないものを身に付けましょう。
女性は、下着が見えないように黒やベージュなどの地味な色の、半袖のインナーを着るとよいですよ。法事用のインナーも販売されています。
次項からは場面ごとに詳細を説明していきますね。
待機時間
待合室での待機時間は、半袖でも問題ありません。
遅刻がないように早めに式場に向かう人が多いはずです。
人が集まると、エアコンが効いていても暑くなりやすいです。
残暑になって、お葬式が多い季節になりました。
お葬式に行く際はまだ暑いので、夏用の喪服にしましょう。祖父は秋用の喪服で葬式に出て暑さで倒れました。お医者様に「葬式に行って、自分の葬式の準備でもしたんか?」と破茶滅茶にしかられてました。
つか、今の時期の葬式に行かない判断して暑いから— よしも (@yosimo0220) September 7, 2019
お医者さんの言うこともごもっともですね。
特に、式の間は上着が脱げませんから我慢は禁物です。
体調管理のためにも、暑い時期は脱げるときは上着を脱いだほうがいいかもしれません。
食事の時間
お葬式やお通夜、初七日法要などが終わった後に食事が準備されている場合があります。
その時は、半袖でいても問題ありません。
食事の後は身体が暑くなりますよね。
ただし男性は、ネクタイがだらしなくならないように気を付けましょう。
前のめりになるときなどは注意が必要です。
脱いだジャケットは置き忘れないように気を付けましょう。
椅子に掛けた場合だと分かりやすいですが、入口のハンガーなどにかけた場合は気づきにくいです。
移動時間
移動時は、半袖でも問題ありません。
具体的に上げると、バスなどでお寺や式場に向かう時や、駐車場から式場まで歩く時などですね。
しかし夏場の喪服は 厳しいっショ😫 ギリギリ半袖の上着で行くとして、手前の歩道とかで ササっとジャケットに チェンジするしか…💦💦 裏地が汗で張り付くのがヤダなぁ。(とても汗っかきだからさ)
— 甘噛クレオ (@cleo_ripa) September 4, 2019
私も汗をよくかくので気持ちが分かります。
時間がたつと臭ってくるし、式場は密室なので、どうしても気になってしまいますよね。極力通気性を保っておきたいところです。
また、納骨などで野外に出るときには、喪主や葬儀屋の方から上着を脱いでもいいという案内がある場合があります。直射日光のなか長時間立ち続けると熱射病になり命にもかかわりますから、真夏の参列時はいつでも上着を脱げるような状態にしておきましょう。
おすすめの半袖喪服
男性なら、白無地でレギュラーカラーの半袖ワイシャツです。
暑がりの方なら特に、通気性や速乾などに拘ったものを選択するとよりよいですが、
その場合は透け具合にも注意して選ばないといけません。
実際にお店で確認して購入するのが最も望ましいです。
下記のような、スタンダートなタイプを選んでみてくださいね。
女性なら、ジャケットとワンピースがセットになっているアンサンブルを選択しましょう。
夏のワンピースは半袖~七分袖のものがよいです。
半袖~七分袖でもジャケットを着ますのでオールシーズン大丈夫ですよ。
下記のようなものが望ましいですね。
楽天ランキング第1位なのでこちらを選んでおけば間違いはありません。
あとは好みに応じて4タイプから選択しましょう。
半袖の喪服まとめ
半袖の喪服だけで通夜やお葬式に参加するのは基本的にNGです。
必ずジャケットなどの袖の長い上着が必要です。
男性はスーツジャケット、女性は5分袖や7分袖などありますが、より袖の長いものを選びましょう。
また、上着を脱ぐことができるシーンも一部あります。
移動時や、待ち時間など、式の最中や、改まった場でなければ大丈夫です。
うまく体温調節をして、自分の体調を管理しましょうね。
上着さえあれば半袖でも問題ないということが分かりました。
これで何も心配することなく式に出席できますね。
また、レディースの喪服については併せてこちらもご覧ください。