寒い季節に葬式に参列する場合、コートが必要ですよね。
あなたは今までどのようなコートを着て参列していましたか?
大人なら喪服は持っていると思いますが、コートまで意識したことがあるでしょうか?
喪服と同じ黒なら大丈夫!という訳ではありません。
これから購入するならどのようなコートがよいのでしょうか?
また手持ちのコートで選ぶ時に注意するポイントは何でしょうか?
今回は、葬式に最適なコートを色・素材・形などの観点から解説いたします。
男女、子供別に具体的なコートもご紹介しますので参考にして下さい。
葬式のコートに決まりはあるのか
葬式のコートには、喪服のように専用のものがなく、厳密な決まりはありません。
しかし色や素材、形でマナー違反になるものがあります。
私は今まで「黒っぽい色なら大丈夫だろう」と安易に考え、あまり意識してコートを選んでいませんでした。
冬の葬式には3回出席したことがありますが、1回はコートの形を選び間違え、後の2回はどんなコートを着たかも覚えていません。
無知は恐ろしいですね…。
あなたもそうならないために、コートを選ぶときに注意するポイントを一緒にみていきましょう。
葬式に着ていくコートの色は黒色?
できれば黒色がよいです。
黒は「悲しみ」を表わす色であり、故人への思いが伝わります。
漆黒がベストカラー
同じ黒色でも、より黒色が濃い漆黒が弔事に相応しい色とされています。
喪服も漆黒なので、コーディネートしやすいでしょう。
礼装用コートというものがある
フォーマルシーンで着用できる礼装用コートというものはあります。
シングルボタンでロング丈、シンプルなデザインの黒いコートです。
<礼装用コートの選び方>
喪服に正装>準礼装>略礼装などランクがあるように、礼装用コートにも高級なものから手頃な価格のものまで様々あります。
例えば略礼装の上に、高級なフォーマルコートを着用すると、ちぐはぐな印象になってしまいます。
礼装用コートを購入されるなら、喪服を持参してフォーマル売り場の販売員の方に相談してみると良いでしょう。
黒色のコートがない場合
手持ちのコートで黒色のコートがない場合、何色だと大丈夫なのでしょうか?
ダークグレー色、濃紺色は、黒色に近いので大丈夫です。
茶色、キャメル色、カーキ色もコートの定番色ですよね。
色調が暗めで、落ち着いた印象を与える色合いであれば許容範囲内ですが、周りが黒のコートばかりだと目立ってしまう恐れがあります。
ライトグレー色、ベージュ色、明るい紺色などは、葬儀場の中にまで着ていくのは不適切です。
できれば避けた方がよいですが、どうしても着用する場合は、預けられるところがあれば預けるなど、できるだけ人目につかないように配慮しましょう。
白色、淡いパステルカラー、カラフルな原色は避けましょう!
適切な色のコートを持っていない場合は、家族、友人から借りるという方法もあります。
新潟の葬式に赴く妹に黒カシミアのコートを貸した。
— 埴生双葉 (@fthm) 2008年3月26日
また黒いストールが1枚あると便利です。
会場で寒い時に膝にかけたり、コートの代わりに羽織ることもできます。
社葬の場合は、黒以外だとマナー違反とされることがあります。
失礼にならないように、あらかじめ職場の上司に相談しましょう。
葬式に着ていくのに適切なコート【素材/形】
素材はウール、カシミアが良いです。
ポリエステル素材は、光って見えたり、シャカシャカ音がしなければ大丈夫です。
形はチェスターコート、ステンカラーコートがオススメです。
着丈は長めのものを選びましょう。
ボタンは比翼仕立てか、シングルタイプがよいです。
ライナー付きで3シーズン対応のタイプだと、秋冬~春先まで着用できて便利です。
以上の点を踏まえた上で、男女別、ショップ別にオススメコートを紹介します。
男性用
普段、あなたが通勤で着ているコートが黒系があれば、それで大丈夫です。
ビジネスシーンで着用できるかどうか、これが選ぶ目安となります。
チェスターコート
カシミア100%で着心地もよく、品格が漂う素敵なスーツです。
ステンカラーコート
比翼仕立てでボタンが見えず、シンプルに着こなせますね。
女性用
女性は、男性よりもコートの種類が豊富で迷いますよね。
喪服の上に着用することを考え、少しゆとりがあるサイズで、品がよくみえるものを選びましょう。
また、喪服のスカート丈との相性も大切です。
歩いた時に膝が見えない丈の長さを選びましょう。
以下のようなコートがおすすめです☟
カシミア100%コート
取り外しができるファーがついたコートで、ゆとりがあるデザインなので弔事に最適です。
慶事用にはファーをつけて華やかに、弔事用にはファーを外してシンプルに、慶弔両用で使い分けることができます。
ユニクロ・GU
ユニクロのチェスターコート
GUのチェスターコート
ユニクロやGUでは、カシミヤやウールがブレンドされた手頃なコートが毎年販売されます。
特に最近は、チェスターコートが人気です。
価格がリーズナブルなので、初めて冠婚葬祭用にコートを購入するならオススメです。
サイズが豊富に揃っている点も嬉しいですね。
洋服の青山
ステンカラーコート
洋服の青山は、スーツや喪服も扱っているので、トータルコーディネートが可能です。
お店も全国展開しているので、一度チェックしてみてください。
レンタルショップ
礼装用コートのレンタル
最近は便利なレンタルショップもあります。
当日発送、クリーニング不要など、サービスも充実していて安心ですね。
新品のコートは、死を予期して購入したと思われるため、あまり良いとされていません。
その点、レンタルであれば気兼ねなく着用できます。
新品かどうか、他人には実際そこまで分かりませんが…
コートを購入した際は、葬式の前に一度袖を通す機会を持つとよいでしょう。
なお、喪服のレンタルについては、以下の記事を参考にして下さい。
子供のコートはどこまで許される?
子供のコートは、大人以上にデザイン性があり、カラフルなものが多いですよね。
子供の場合は、大目にみて大丈夫です。
もし手持ちのコートが何枚かあるなら、葬式に相応しい黒・紺・グレーのコートを選ぶとよいでしょう。
ただしコートの中の服装は、フォーマルスーツや黒のワンピースなどを着せてあげてくださいね。
我が家の場合、カジュアル用とおでかけ用の2セット持っています。
おでかけ用のコートがあると、冠婚葬祭はもちろん、ちょっとした外食時にもとても便利です!
息子は紺のPコートをユニクロで、娘はグレーのダッフルコートをショッピングモールで購入し、冬のおでかけに大活躍でした!
購入する際は、品がよくお利口さんにみえるか、また窮屈で子供がぐずってしまわないような着心地の良さも重要です。
葬式のコートで素材や形がNGなもの
素材
ファー、毛皮、スエード、ボアなど、殺生を連想させる素材はNGです。
これは葬儀のマナーで、小物であっても着用してはいけません。
フェイクファー(偽物)であっても、他人から見れば区別がつかないのでNGです。
また、光沢がある素材も相応しくありません。
動くとシャカシャカ音がするような、スポーツウェアのような素材も避けましょう。
形
ダウンコート、フード付きコート、ジャンパーなども、カジュアルなファッションなのでNGです。
形は良いがフードがついているという場合は、フードを取り外すことができれば大丈夫です。
柄のコートや、レースなどの華美な装飾がほどこされたコートは、おしゃれ着に見えるため相応しくありません。
ここで私の失敗談をお話します。
今のダウンコートは、きれいめでオフィスで着用できるようなものもありますよね。
私も1着濃紺のきれいめのダウンコートを持っているのですが、それを今年の年明けの葬式に着用していってしまいました。
着丈も長めで体にフィットするラインで、あまり気にせず「きれいめで黒に近い色」ということで選びました。
実際は誰からもお咎めはなかったですが、「マナー違反だな」と思われていたかもしれません…。
寒い地域での葬式の場合は、ダウンコートを着用する人も多いようです。
マナーを重視するあまり、我慢して体調を崩してしまっては大変ですよね。
寒い地域での葬式に出席する際には、コートのマナーについて地域の方に相談しておくと安心です。
ボタン
スカーフや飾りピンなど、コートに飾りがついている場合は、取り外しましょう。
とにかくシンプルで、目立たないコートが最適です。
意外と目立ってしまうのが、コートのボタンです。
金属のボタンや、ラインストーンがついたボタン、コートの生地と違う色のボタンなどがついている場合は、ボタンカバーをかぶせましょう。
男女兼用
葬式に最適なコートまとめ
葬式のコートをこれから購入するならどのようなコートがよいのか、また手持ちのコートで選ぶ時に注意するポイントについて、おさらいします。
- 葬式のコートに決まりはある?
- 色や素材、形でマナー違反になるものがある
- フォーマルシーンで着用できる礼装用コートというものがある
- コートの色は黒色?
- できれば黒色がよい
- ベストカラーは漆黒
- ダークグレー色、濃紺色は、黒色に近いので大丈夫
- 葬式に最適なコート
- ウール、カシミア素材
- チェスターコート、ステンカラーコート
- ボタンは比翼仕立てか、シングルタイプ
- ライナー付きで3シーズン対応
- 男性はビジネスシーンで着用できるもの
- 女性はゆとりがあるサイズで、膝が見えない丈の長さのもの
- 子供のコートはどこまで許される?
- 子供の場合は、大目にみて大丈夫
- お利口さんに見えるもので、着心地の良さも大切
- 素材や形でNGなものは?
- ファー、毛皮、スエード、ボアなど、殺生を連想させる素材
- 光沢がある素材
- スポーツウェアのような素材
- ダウンコート、フード付きコート、ジャンパー
- 柄のコートや、レースなどの華美な装飾がほどこされたコート
- スカーフや飾りピン、目立つボタンも注意
葬式に着ていくコートには、色々と注意すべきポイントがありました。
しかしこれらはあくまでマナーであって、必ず守らなければいけないものではありません。
しかし葬式で明るい派手なコートを着用していたら、遺族の方はどう思うでしょうか?
また適切なコートを着ていかなかったせいで、自分の服装のことばかり気にして、故人を思う心の余裕がなかったら?
とても残念なことです。
そうならないためにも、シンプルで万能な黒のコートを、ぜひ1着準備しておきましょう。