今現在、増え続けている
直葬という葬儀形態があります。
注目される理由としては
「少子高齢化の影響で起こりうる
人間関係の希薄化」や、
「費用が一般的な葬儀と比べて
1割程度で執り行えるため」です。
費用的には
ベストといった葬儀形態です。
昨今、人気の葬儀形態が家族葬や直葬へと
変わりつつある傾向が見受けられます。
今回は、最もシンプルな葬儀である
直葬の流れについて、
臨終からお骨上げまでを詳細に解説いたします。
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最もシンプルな葬儀である直葬の流れ【臨終からお骨上げまで】
直葬の流れは下記のようになります。
臨終後、搬送安置
↓
日程合わせ
↓
親戚に連絡
↓
火葬日の式典
↓
出棺
↓
火葬
↓
ご収骨(お骨上げ)
↓
解散
一般的な葬儀には、
通夜や告別式があります。
その行事がないだけで
時間も大幅に削減されるというのも、
直葬を選択される
理由の一つにもなります。
直葬とは、簡潔に言うと
臨終後、直接火葬場へ運び、
火葬を行う葬儀形態の事です。
ただし、死後24時間の
安置をする時間が必要になります。
近親者だけが立ち寄り、僧侶を呼ばずに
火葬のみを行うのが一般的です。
では、具体的に直葬で執り行う
内容詳細を1つずつ見ていきましょう。
臨終後、搬送安置
感染症での死亡など一部の例外を除き、
死後24時間は火葬してはならないと
法律で定められています。
また病院に遺体を長時間置いておくこと
もできませんので、火葬までの間
安置しておくための場所を確保する
必要があります。
故人の臨終後、直ぐに葬儀社へ連絡を取り
遺体搬送車を手配します。
その間に、看護師による逝去時ケアと
医師による死亡診断書の
発行を行ってもらいましょう。
その際、搬送車には喪主となる方が
同乗するのが一般的です。
自宅安置の場合
自宅内で最低畳2畳分の広さがあり
出来るだけ涼しい所で安置可能な場所を
あらかじめ決めておきます。
仏壇があればその部屋がいいでしょう。
また、
安置している際に親戚等がお参りに
駆け付けることも予想されます。
部屋は綺麗にして、いつでも
対応できるようにしておくと良いです。
安置の際には1つ1つ作法があるので
分からない場合は葬儀社の方に
確認しましょう。
公共の安置施設の場合
公共の安置施設には葬儀会社の安置室や
民間の遺体保管所などがあります。
利用する場合、
まず場所の確保が必要です。
また、ドライアイス等の保存費用の他に
施設利用料金がかかります。
そして公共の場所なので
自由に面会ができない場合や
面会できる場合でも
追加の費用がかかったり
立ち合いが必要だったりと
条件のある場合がありますので
事前に確認しておきましょう。
公共の安置施設を利用すると
自宅安置と違い、思ったように
落ち着いて故人とのお別れができない
可能性もあります。
故人とのお別れを惜しむのであれば
少し無理をしてでも自宅で安置する方が
心残りがありませんし、故人も自分の
過ごした家に帰ることができます。
心に余裕をつくり故人を偲んで、
満足のいく別れが出来る自宅安置を
私はお勧めします。
日程合わせ
亡くなった当日は火葬が出来ないため、
次の日以降の火葬となります。
ただし、
次の日が火葬日になるとは限りません。
- 友引は休業している火葬場が多い。
- 都内では人口が多いわりに火葬場が少ないので空くまでに数日掛かる場合もある。
- 親族同士の日程も把握しなければならない。
こういった事柄を考慮しながらの
日程合わせとなります。
また、同時に葬儀社と費用や
流れの説明等の打ち合わせもします。
直葬は費用が安いといっても
オプションや利用施設によって
追加料金が発生する場合もあります。
低料金のコースは条件を切り詰めている
ことも多く、想像もしていない意外な
ことでオプション料金がかかってしまう
ことがあります。
そうなってしまった場合にはもう
追加料金を払う選択しかできなくなって
いることが多いので、
葬儀社との打ち合わせの際は
後々、後悔しないようしっかり内容を
確認しておきましょう。
それでも心配な場合は
家族であったり相談のしやすい方に
同行してもらうと良いですね。
親戚に連絡
近親者(故人の家族にあたる方)に
場所や時間などの連絡をして
人数の算出をします。
その時に、火葬だけの葬儀
である事をしっかりと伝えます。
また、直葬では香典を
辞退するのが一般的です。
特に直葬は充分な儀式を行わない為、
不満を持つ方が多く、親族間でも
その後疎遠になるケースがあります。
故人の意思で直葬を選択する場合は
残った家族に負担をかけたくない想いが
まず一番に考えられます。
連絡するときは直葬である旨を
しっかりと伝え、十分に説明を尽くして
トラブルにならないようにしましょう。
火葬日の式典
故人の身支度を整え棺へと納めます。
これを納棺と言います。
この時に別れ花を行います。
花や思い出の品を一緒に棺に納め、
故人と簡単なお別れをします。
※火葬場によっては規定により
お顔を見てお別れするのはこの時が
最後の場合もあります。
燃えないものは副葬品にできません。
事前に確認しましょう。
私は故人の生前の写真を副葬品として
一緒に棺へと納めた記憶があります。
納める生花は葬儀社の方で
準備して頂けますが、
独自で花を準備することも出来ます。
その際、豪華な包装は控えましょう。
出棺
火葬場へ霊柩車にてお送りします。
ご遺体を運び出す際は、
足側を先にして数人で運びます。
霊柩車に納める際も基本足側からです。
これは
「故人が家に帰って来ないように」と言う
意味合いを持っています。
稀に「霊柩車の助手席に
乗る喪主に顔が近くなるように」と
頭を先に乗せる場合もあります。
この作法は地域によって異なってきます。
もし、分からなくても葬儀社の指示が
あるので心配する必要ありません。
出棺は、基本ご逝去されてから
翌日か翌々日になります。
火葬場の安置室を
利用されている場合は、
そこから直接、火葬場まで行きます。
火葬
到着後、火葬場前の告別室にて
最後のお別れをします。
お焼香を手向けたり、
故人の顔を見ることが出来るのも
この時が本当に最後となります。
この際に、僧侶に来て頂いて
読経をしてもらうこともあります。
その場合でも読経は10分程度です。
お別れを済ませた後、
炉へと移動して火葬となります。
火葬は45分~2時間程度かかります。
待ち時間の間、飲み物や軽食を
取りながら時間を過ごします。
地域によって火葬中に精進落としの
会食が行われる場合もあります。
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ご収骨(お骨上げ)
火葬が終了すると、
職員の案内に従って移動します。
お骨上げは2人1組で箸を持って
遺骨を壷に納めます。
その際に職員から頂く「埋葬許可証」は
遺骨を埋葬する時に必要な書類となり、
これは再発行が不可能です。
紛失防止のためにも
埋葬許可証も骨壷の箱へ
一緒に収納しておくのが良いでしょう。
全収骨(関東)と部分収骨(関西)は
地域によって異なってきます。
因みに
興味深いツイートを見つけました。
以前から、火葬で遺骨を残さないという"メニュー"が出てくると思ってます。そうすると、炉前だけで全て終了。火葬中待っている必要なし。納める墓もいらない。遺骨の受取を拒否もなくなります。一定数の需要があるんじゃないかな。散骨だの、直葬だの、ホントはこうしたいんでしょ、って思ってます。
— 善財 (@zenzai_von) December 22, 2017
このツイートは約1年と半年前のもの。
確かに、遺骨を残さず
全て焼き切ってしまえばお骨上げや
納骨をする必要がなくなります。
また、
納骨するお墓を持っていない等の理由で
遺骨引き取りの拒否をされる方も
いらっしゃいます。
時間短縮かつ更に簡素になります。
しかし、宗教的な儀式を行わない為、
まだまだ否定的な意見も多い直葬です。
この方の意見が現実になってしまうと
反発する人も増えそうです。
いずれにせよ合理性だけではなかなか
決められない心の問題を多分に含む話
ですので世間に受け入れてもらうには
中々難しい案件となるでしょう。
解散
収骨後、その場にて解散となります。
直葬の内容詳細は
これで以上となります。
一般的な葬儀の場合は準備を含めて
丸3日は必要になってきます。
比べて直葬は、順調に進めば最短で
2日程度で済ませることが可能です。
簡素に言えば、火葬だけという
とてもシンプルな葬儀形態です。
せわしなく、
ゆとりのない今現代にとっては
ぴったりなのかもしれませんね。
直葬が注目される理由【シンプルな流れと費用】
主な理由は以下の3つです。
- 費用が少なくて済む
- 通夜・告別式を行う必要がない
- 流れがシンプルで時間がかからなくて済む
一番大きな理由は費用がかからなくて
済むという点です。
人間関係が昔ほど広くない現在では
葬儀に呼ぶ人数もほとんどいなかったり
宗教観の変化によりそもそも葬儀の
必要性を感じていない人も
徐々に増えています。
そのため自分の葬儀は最低限で済ませて
欲しいと希望する人もいます。
単純に時間がかけられない
ということもあります。
葬儀の流れがシンプルで
時間がかからないに越したことは
ありませんよね。
このようなツイートを見つけました。
私の身内の葬式は、大体が家族葬である。直葬と言う形式があるのを今日知った。中々良いと思う。家族葬でもお通夜と告別式があるので結構疲れる。年寄りには酷である。結婚式にしろ葬式にしろ金が掛かる。それぐらいの金は用意しているが、無駄な気もする。簡略化するのがこれからの流れになるだろう。
— kitajiro (@jiro_kita) February 12, 2019
昨今家族葬が注目を集める中、
これからは直葬へと
変化しつつあるのかもしれません。
人間関係が希薄化してきたり
高齢者にとって壮大な葬儀を執り行うことは
身体的な負担が大きいなどの理由で
今までの一般的な葬儀が減りつつあります。
また、多くの人が
経済的に余裕のあった昔に比べ、
今は
何をするにもお金が掛かる時代です。
もちろん「火葬だけでなく
ちゃんと供養してあげましょう」という
意見もあります。
その気持ちも分かりますが…
しかし、やはりそれにも膨大な
お金が掛かってくるのです。
宗教的な儀式を挟むだけでも
何倍もの費用が発生してしまいます。
不謹慎かもしれませんが
何をするにしても
お金が必要となった今では、もはや
もう仕方のない事なのかもしれません。
と同時に忙しい毎日を送る現代人には
シンプルな流れで時間がかからない
直葬がマッチしているという側面もあります。
今の現状を見れば、
世間では葬儀の簡素化を
求める人が少なくないと言えます。
直葬の流れまとめ
今、最も注目を集めている直葬ですが
葬儀の形式を選択するのは
あなた自身です。
その選択肢の参考として
見て頂けると嬉しいです。
最後にまとめます。
- 直葬の流れ
- 臨終後、搬送安置
- 自宅安置
- 公共の施設に安置
- 日程合わせ
- 親戚に連絡
- 火葬日の式典
- 出棺
- 火葬
- ご収骨(お骨上げ)
- 解散
- 直葬が注目される理由
- 費用が少なくて済む
- 通夜・告別式を行う必要がない
- シンプルな流れゆえ時間がかからなくて済む
直葬は一般的な葬儀よりも短時間、
低価格で執り行えます。
これだけを聞くと
長所ばかりにも聞こえますが、
注意するべきところが
多いのも事実です。
直葬を安易に捉え
後悔した事例も沢山あります。
この葬儀形式を選択する場合は
簡素な部分に囚われず中身の詳細を
よく把握することが大切です。
故人との別れを有意義なものに
するためにも、よくよく理解した上で
選ぶようにしましょう。
直葬でお坊さん便を手配される場合は、以下の記事をご覧になってください。