大事な身内を亡くした悲しみの中、
葬儀を済ませ、四十九日も終え少しずつ
落ち着きを取り戻し始めます。
そんな時、親戚から
「初盆はどうするの?」
と言われてハッと思い出します。
あなたの脳裏には
「初盆はしないといけないものなの?」
という疑問がよぎります。
葬儀であれば火葬や納骨のプロセスまで
とても必要なことは理解できます。
初盆はしないという話も聞くし、
やらなくていいならやりたくないけど…。
でも、親戚やご近所の手前、世間体を考えたら
やっておいた方がいいのかもしれないし…。
実際のところはどうなんだろう?
また、宗派によって、
初盆をする、しないに違いがあるのでしょうか。
今回は、そんな疑問にお答えします。
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初盆をしないという選択はアリだが慎重に判断すべき理由
初盆は常識と考えられているようでも
ありますし、初盆はしなくてもいい、
あるいはしないという話も聞きます。
一体どういうことなのでしょうか?
まず、初盆をしなければいけないという
決まりはありません。
ただし、初盆をしないといけない、
あるいは必ずしてきたという人が
一定数いるのも事実です。
それぞれの地域性や慣習などあります
ので難しいところではありますが、
全国的には必ず初盆をしないといけない
という決まりはありません。
決まりはありませんが、
慣習として頻繁に行われていますし、
それを決まり事だと思い込んでしまって
いる人もいます。
初盆をしないという話にも理由があり、
同じ仏教の中でも浄土真宗だけは考え方
の違いにより、お盆に故人を迎える
ということがありません。
そのためお盆に特別なことをするという
習慣がなく、従って初盆にも特別なこと
をしません。
お盆をしないわけではありませんが、
初盆に特別なことをしないという意味で
初盆をしないというわけです。
これについては後述します。
そのような訳で、初盆をするのもしない
のも、あなたの事情次第と言えます。
ただしあなたにも世間体があるでしょう
から、初盆をしないという選択は慎重に
行うべきです。
ただ単にやりたくないからやらない、
というのは難しいかもしれません。
初盆をしない場合の問題点を例を挙げて紹介
あなたが浄土真宗ならもちろん
初盆をしなくて済みます。
しかしそうでない場合は、初盆をしなく
てもいいということがわかっても何か
問題点があるのではないかと
不安になりますよね。
世間体が問題になる場合は可能なら
初盆を行なう方がいいでしょう。
親戚やご近所に説明して納得して
もらえるだけの理由があれば
初盆をしなくてもかまいません。
ただやりたくないというだけでは故人に
対して悼む気持ちがないと言われても
仕方ないでしょう。
初盆ができない例を挙げて問題点を
考えてみましょう。
遠方にいる親族が高齢で参加が困難
お盆が8月の暑い時期に行われる地域
では、遠方から高齢の親族が移動すると
なると身体への負担が心配です。
親戚同士で相談して初盆はとりやめて
おきましょうという選択もあります。
しかしこれはあなたの事情ではなく
相手方の事情です。
高齢の親戚のせいにして初盆を
やらなかったと言われてしまうかも
しれません。
高齢の方以外は参加できるのだから
やるべきという意見もあるでしょう。
関係者みんなに意見を聞いて
相談した方がいいでしょう。
家族の負担があまりにも重い
例えば、
認知症の家族の世話をしているなど
日常的な負担を背負っている場合、
初盆を行なうことで家族が命の危険に
さらされてしまいます。
誰かが代理で様子を見てくれると
言っても、介護に慣れていない人では
危険から守ることができないこともあり
安易に人に任せられません。
この場合はどうしても初盆をする必要が
あるなら、主催者を代理でやってもらう
方がいいでしょう。
そういう協力が得られないなら、
家族の命を危険にさらしてまで
初盆をすることはありません。
そもそもやる意味が見出せない
あなたに初盆をやらなければいけない
とか、初盆をやった方がいいという
考えがないのであれば、やらないという
選択をしたくなるでしょう。
しかしこの理由で人を説得できないのは
説明するまでもありません。
この場合は家族や親族に
「初盆はやらなくてもいいよね?」
と聞いてみて、誰も反対しなければ
初盆をやらなくていいでしょう。
誰かが反対したらやらざるを得ません。
反対理由が「初盆はやるものだ」
というのであれば
「そういう決まりはないんだけど」
と話してみてもいいですが、
それを納得してもらうのは
難しいように思います。
やるべきだと言われたら、素直に
長いものに巻かれておく方が面倒なこと
にならなくて済むと思います。
あなたも親戚関係を悪くしたいとは
思わないでしょう?
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浄土真宗では初盆でも特別なことはしない
仏教の中でも浄土真宗はお盆の考え方が
少し違っています。
なぜ浄土真宗では初盆でも
特別なことはしないのか説明します。
これは浄土真宗の考えの中にある
次の2つが関係しています。
人間は亡くなればすぐに成仏する
この浄土真宗の考え方は
他の宗派と大きく異なっています。
他の宗派では
亡くなった時に霊となって現世をさ迷い
四十九日でやっと成仏すると説いています。
しかし、浄土真宗では
死後にすぐ仏の身になるため
元々供養をする必要がないのです。
成仏した仏様はこの世に存在する
他の宗派では
「浄土にいる仏はお盆に現世に戻る」
と考えられています。
そのため、お盆には
「迎え火」で霊を呼びますが
浄土真宗の仏は、すでに現世に存在し
いつも人間の苦しみを救うために
見守っていてくれる存在なのです。
つまり、
お盆が仏にとって特別ではないため
何もする必要がないのです。
浄土真宗独自のお盆の考え方
浄土真宗では
初盆でも特別なことはしませんが
実際、浄土真宗の寺でも初盆法要や
お盆法要は行われていますし、
なんらかの形で初盆を行う家庭も
少なくありません。
これはなぜでしょうか?
浄土真宗では確かに
故人を供養する必要はありません。
「生きている私たちが仏法を聞く」
これこそが功徳であり
私たちが仏法を聞くことで
阿弥陀如来様に救われる
という教えなのです。
つまり、
お坊さんにお経をあげてもらうことは
「先祖のためでなく自分自身の救い」
に繋がるという考え方なのです。
そして、この機会を与えてくれた
ご先祖様へ改めて感謝を抱くことも
とても大切な教えなのです。
初盆を行なう必要はなくてもあなた自身
の為に行なうのは全く問題ありません。
初盆をしないという選択はアリかのまとめ
初盆をしなければいけないという
決まりはありません。
しかし実際にはよく行なわれており、
初盆をしない場合は体面上それなりの
理由が必要になります。
- 初盆はしてもしなくてもいい
- ただし初盆をしない場合は明確な理由があった方がいい
- 浄土真宗ではお盆も初盆も特別なことをする必要はない
浄土真宗の教えではお盆はあなた自身の
ためですから、初盆もあなた自身の為に
やっていいでしょう。
また、あなたが取り行った初盆で
普段会えない親族に再会し
お坊さんのお経に心が清められ
故人に想いを馳せることができたなら
あなたにとって初盆は
忘れがたい行事として
心に刻まれることでしょう。