喪主の妻として葬儀に参列するけれど
どんなアクセサリーを着ければいいの?
そうネットで検索すると
驚くほど異なる意見であふれています。
あるサイトではマナー違反なのに
別のサイトではそれが正しいと
書いている。
掲示板で質問しても
正反対の意見の回答がある。
これではどんなに検索しても
本当に知りたい答えになんて
永遠にたどり着けません。
そこで今回は
喪主の妻という立場における装いの基本
をおさらいし
さらに
身につけるべきアクセサリーについて
他のサイトとは違った観点から調べ
その結果をまとめました。
喪主の妻の装いは正礼装が基本
まずは
基本的なことを振り返りましょう。
喪主の妻は
喪主と共に葬儀を取り仕切る
第二の喪主とも言える程
葬儀においては重要な立場の人ですね。
そんな喪主の妻に求められるのは
弔問客をもてなし
故人を送り出すのにふさわしい
正礼装。
つまり弔問客や他の親族よりも
より一層格式高い正装なのです。
地域によって多少の差はありますが
紋の付いた黒無地の着物や
黒のワンピースもしくは
ジャケットとスカートのアンサンブル
などがそれに当たります。
今回は
アクセサリーに主眼をおいているので
より具体的な女性の服装についての説明は
省きます。
服装についてもっと知りたい方は
当ブログ内の「服装」のカテゴリーを
併せてご覧ください。
和装と洋装におけるアクセサリー
お通夜から葬儀・告別式まで
全て和装で行うお葬式もありますが
多くの場合は
和装と洋装を着分けますよね。
では
和装におけるアクセサリーと
洋装におけるアクセサリーは
どのような差があるのかを
見てみましょう。
和装におけるアクセサリー
喪服に限らず
和装の場合は
基本的にアクセサリーは身につけません。
ただし
ファッションではなく
既婚者の証として身につける
結婚指輪に関しては
つけても良いとされています。
つまり
和装におけるアクセサリーのマナーは
身につけないことです。
洋装におけるアクセサリー
逆に洋装の場合は
アクセサリーを身につける必要があります。
アクセサリーまで含めた装い全てが
洋装における正装であるからです。
洋装にとって
アクセサリーはとても重要視されています。
特に喪服に着用する宝飾品のことを
モーニングジュエリーと呼びます。
では、洋装でつけるアクセサリーとは
どのようなものなのでしょうか。
ネット上のアクセサリーのマナーは矛盾だらけ?
インターネットで検索すると
アクセサリーに関する「マナー」が
数多く出てきます。
たとえば
・洋装でも
アクセサリーをつけてはいけない
・和装と同じで結婚指輪だけをつける
・洋装でアクセサリーをつけてもいいが
宝石は真珠でなければいけない
・黒いアコヤ真珠は良いが黒蝶真珠はダメ
などなど
挙げていくときりがない程
様々な意見で溢れ
中には明らかに矛盾した意見まであります。
何やねん「喪服にパールは必須!無いと恥ずかしい」って意見と「喪服にアクセサリーはNG、どうしても付けたいならパールならOK」って意見があるみたいやけど統一しろや…!!冠婚葬祭系は地域や個人の主観によるどうでもいいマイルールが多過ぎる…悪目立ちしたり悪意が無いものなら何でもええやんけ
— ぐちやまbot (@guchi321) 2019年3月17日
こんなにもいろいろなマナーがあれば
混乱して当然ですよね。
女性皇族を真似れば格式高くなるのか?
喪主の妻は格式高い装いをする
というのが喪主の妻としての装いの
基本でした。
日本において格式が高いといえば皇室。
その皇室でのモーニングジュエリーは
「ジェット」と呼ばれる宝石です。
ジェットとは
ジュラ紀に生息した樹木が水中に沈み
化石化した宝石です。
英国がジェットの有名な産地であるため
英国王室では古くから
ジェットをモーニングジュエリーとして
用いていました。
そして日本の皇室は
洋装の慣わしを英国王室に倣ったため
現在女性皇族のモーニングジュエリーは
ジェットを着用するのが一般的です。
では、ジェットという宝石をつけることが
正しいマナーなのでしょうか?
実は英国のモーニングジュエリーも
時代と共に変化を遂げており
現在のエリザベス女王は
ダイアナ元妃やサッチャー元首相の葬儀で
真珠のネックレスを着用されていました。
ジェットのネックレスは
以下のようなものが弔事用には一般的です。
アクセサリーのプロに尋ねてみた!
次に私の知る宝飾業を営む人に
彼が喪主を務めた葬儀で
彼の妻、すなわち喪主の妻が
身につけたアクセサリーについて
教えてもらいました。
黒蝶真珠の一連ネックレス
ロングネックレスや二連ネックレスは
避ける。
黒蝶真珠のイアリング
揺れ動くデザインではなく
シルバー色の台に真珠が一粒乗った
シンプルなもの。
ダイアモンドが入った黒蝶真珠の指輪
昨今は結婚指輪にも
ダイアモンドが入っていることが
普通になっているので
華美になり過ぎないなら
多少ダイアモンドが入っていても良い。
ネットに載っているマナーとは
随分と違いますよね。
黒蝶真珠の一連ネックレスは
以下のようなものが冠婚葬祭用には一般的です。
なお、以下のベーシックな
パールネックレスは無難なので
付けている方が多いですね↓
基本は「上品」であること
アクセサリーのマナーは
文化的事情や時代の経過により
変化を続けています。
ですがそのせいで
ネット上には多種多様で矛盾したマナーが
溢れているのです。
アクセサリーのプロが
最後に私に教えてくれたのは
格式の高い装いというのは
自分が上品に見える装いのことだ
ということでした。
つまり喪主の妻のアクセサリーはこう選ぶ!
この記事の内容をふまえて
喪主の妻であるあなたが
身につけるべきアクセサリーを
おさらいしましょう。
まず
素材は皇室や王室に倣って
ジェットや真珠が望ましいです。
真珠の場合は上品さを考慮して
色は白、黒、グレーを選びます。
また金属部分が見えるイアリングや指輪は
派手な金色ではなく
大人しいシルバーの色みが良いです。
揺れ動いたり煌めくものは避けましょう。
ただし多少のダイアモンドは問題ない
とされることもあります。
ネックレスや指輪は
一連でつけると華美になりません。
ただし
アクセサリーのマナーは時代や地域で
変化します。
最も重要なことは
あなたが上品に映ること。
これを念頭に置いて
アクセサリーを選びましょう。
また、お葬式の小物として重要な、
数珠については以下の
記事を参考にして下さい。
喪主の妻が身につけるべきアクセサリーのまとめ
喪主の妻は格式高い装いが求められます。
それはつまり
喪主の妻の装いこそが
そのお葬式におけるマナーの基準である
ともいえます。
ネット上に溢れている
「○○でなければいけない」
「○○はつけてはいけない」
というような
一方的で強要するような内容のマナーに
振り回される必要はありません。
鏡の前に立ち上品である装いこそが
正しいアクセサリーのマナーです。
- 喪主の妻の装いは正礼装が基本
- 和装と洋装におけるアクセサリー
- ネット上のアクセサリーのマナーは矛盾だらけ?
- 女性皇族を真似れば格式高くなるのか?
- アクセサリーのプロに尋ねてみた!
- 基本は「上品」であること
- つまり喪主の妻のアクセサリーはこう選ぶ!
・喪主の妻は
他の参列者よりも格式高い装いをする
・和装におけるアクセサリー
結婚指輪以外つけない
・洋装におけるアクセサリー
モーニングジュエリーと呼ばれる
アクセサリーをつける
・ネット上には多種多様なマナーが載っている
・そのために多くの人が混乱している
・女性皇族はジェットをつけている
・もともとは英国王室の風習
・現在は英国王室も真珠を着用することもある
・宝飾業を営む人に聞いた
葬儀で身につけるアクセサリーは
ネット上のマナーと一致していない
・格式高い装いとは
上品であるということ
・アクセサリーのマナーは時代や地域で変化する
・自身が最も上品に映るアクセサリーを選ぶ
ネット上に溢れるマナーは
多くの人を困惑させます。
喪主の妻という大役を担うからこそ
振り回されることなく
上品な装いを心がけたいものです。
なお喪主の妻の服装については
以下の記事をご覧になって下さい。