葬式や法事の際には、香典を用意するのが一般的です。
香典袋を購入し、お札を準備したところで、さて金額はどのように書くのが正しいのでしょうか?
慌ててインターネットで調べてみても、色々な書き方が示されていて迷いますよね。
香典袋の種類によっても、書き方は異なります。
今回は、香典の金額の書き方についての疑問を徹底解説いたします。
また、実際に市販の香典袋も調査したので、参考にしてください。
香典の金額の書き方【漢数字/金/也】
香典の金額を書くときは、大字(読み方:だいじ)(難しい漢字)で書くのが主流です。
「一」「二」「三」などの常用漢字は、線を一本足すと簡単に書き換えることができるので、改ざん防止のためだと言われています。
常用漢字 | 一 | 二 | 三 | 五 | 六 | 七 | 八 | 十 | 千 | 万 | 円 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大字 | 壱 | 弐 | 参 | 伍 | ※ | ※ | ※ | 拾 | 阡 | 萬 | 圓 |
※「六」「七」「八」は常用漢字を使うのが一般的です。
実際に包む金額によって、上記の大字、常用漢字を組み合わせて記入します。
よく香典で使われる金額の書き方例は以下の通りです。
五千円 | 伍阡圓 | 伍阡円 | 伍千円 |
---|---|---|---|
一万円 | 壱萬圓 | 壱萬円 | 壱万円 | 三万円 | 参萬圓 | 参萬円 | 参万円 |
上記のどれで記入しても間違いではありません。
現代の葬式や法事においては、金額が改ざんされる可能性はほとんどないため、実際のところ、五千円、一万円、三万円などの常用漢字でも問題はありません。
がしかし、一般的には難しい漢字で書くのが常識と思われていることから、大字(だいじ)で書いておくのが無難です。
あたまに「金」をつける理由
こちらも改ざん防止のためです。
例えば五千円→壱万五千円と、あたまに「壱万」をつけることができますよね。
領収書を書くときなどは、金額のあたまに「¥」マークをつけますが、これも同様の理由です。
改ざん防止のために、あたまに「金」を書くことをオススメします。
さいごに「也」はつけなくてもよい
現代では、「也」はつける必要はありません。
円未満の銭という単位があった頃に、うしろに「○○銭」と書き足されるのを防ぐためだったようです。
(例 五千円→五千円二十銭)
「也」は「~である」という断定の意味です。
私は今まで、意味も分からず「なんかかっこいい」という理由でつけていましたが(笑)、「也」をつけると全体がビシっと締まる感じがして、個人的にはいいなと思います。
つけてもつけなくてもどちらでもいいので、あなたの好みで選んでください。
十万円以上の高額の場合にのみ「也」をつけるという説もあります。
香典の金額は中袋の表に書く?裏に書く?
香典の金額は、中袋の表に書いても裏に書いても、どちらでも大丈夫です。
表に書く場合は中央に縦書きで書きます。
裏に書く場合は右上に金額、左下に住所と氏名を書いてもよいし、金額を右上に書かず、氏名の左側に書いても良いです。
香典袋の書き方について。香典袋は表に名前、裏に住所と金額という方が多いようですが。私は両親から表に住所と名前を書いて、裏に金額と教わりました。ちなみに北海道です… http://bit.ly/kdFXcE
— Q&A集約サイトiQuestion (@iquestionjp) 2011年5月12日
地域によっても異なるようですね。
香典はお供え物の代わりで、遺族の負担を援助する…という意味から、金額は中袋の裏側に目立ちすぎず、控えめに書く方が私は好みです。
表書き以外は、薄い墨で書かなくてもよい
通夜、葬式の香典袋の表書きは、薄い墨で書くのがマナーです。
しかし、香典袋の裏側や中袋に記入する住所や氏名、金額などは、文字が小さいため、筆ペンだと書きづらくて困ったことはありませんか?
香典袋の書き方がわからない…表面に自分の名前は書けたんだけど…金額や住所を書くときも筆使って薄墨で書くのかな…いや小さいわ…むり…いや…無理だなこれ…
— 武男💔 (@takeo114) 2019年8月19日
香典袋を販売している企業に電話で聞いてみたところ、表書き以外は、書き慣れたサインペンやボールペンでも大丈夫とのことです。
一番大切なのは読みやすいことです。
本来は薄い墨ですべて書くのが望ましいですが、難しい場合は無理せず、読みやすい字を書くように心がけましょう。
四十九日、一周忌などの法事の香典袋の表書きは、濃い墨で書きます。
住所は案内状をもらっている場合や近親者は書かなくても間違いではありません。金額と氏名だけで大丈夫です。それ以外は書く方が丁寧であり望ましいです。
【香典の金額の書き方】横書きの記入欄がある場合
横書きの記入欄がある場合は、指定の場所にアラビア数字(算用数字)で記入して大丈夫です。
あたまには「金」、または同じ意味の「¥」をつけましょう。
中袋がない場合の香典の金額の書き方
香典の金額が少ない場合に使用される中袋がないタイプの香典袋もあります。
(5,000円以下の場合に使用されます)
その場合は、表に名前、裏に住所と金額をかきます。
香典袋を外袋と中袋の二重にすると、「不幸が重なる」と連想されて嫌がる方もおられます。
地域色もあるので、不安な場合は親戚や知人に確認してから香典袋を準備しましょう。
私の実家は大阪なのですが、以前関西で購入した香典袋も中袋がないタイプでした。
中袋がない方が手間がかからず好まれる?!
香典の金額が一万円以上の場合、中袋がついた香典袋を使用するのが主流です。
しかしインターネット上では、中袋がない香典袋の方が好まれる…という記事もあります。
この気遣いは喜ばれそう→「通夜、葬儀などたくさんの人が集まるときは、受付の人の手間を考えて中包みを省いて、上包みの裏側に住所、郵便番号、金額を書いて渡すようにしましょう。」香典を贈る1 <知識ゼロからの喜ばれる贈り物のマナー>岩下宣子https://t.co/EQJcMplFVx
— 幻冬舎plus (@gentoshap) 2016年9月29日
確かに。私も自分の結婚式の時、いただいたご祝儀袋を整理していると、ものすごい紙の量になって大変だった記憶があります。
時代とともに簡素化し、中袋のない香典袋が一般的になるかもしれませんね。
なお、中袋がない香典袋の書き方について、さらに詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
市販の香典袋は中袋に金額記入欄があるタイプが多い
今回記事を書くにあたって、市販の香典袋を7種類集めました。
その結果、ほとんどが中袋付きで、住所、氏名、金額を書く欄があらかじめ指定されていました。
私は関東在住なので、地域によっても異なりますが、参考にしてください。
ネット通販の香典袋を調査すると下記のようなものがありました。
↓送料無料の香典袋
なお、香典袋は以下のような「ふくさ」に入れて持参しましょう☟
香典を持参する頻度は割と多いです。
大切な香典袋がバッグの中で汚れるといけませんし、ふくさから取り出すとスマート。
香典袋を取り出す手元は意外と見られています。
香典の金額の書き方についてのまとめ
香典の金額の書き方について調査したところ、決まり事の多くは改ざん防止のためだということが分かりました。
以下に項目ごとにポイントをまとめます。
- 香典の金額の書き方は、大字(難しい漢字)で書くのが主流
- あたまに「金」をつける
- さいごに「也」はいらない
- 中袋の表に書いても裏に書いてもよい
- 表書き以外は、無理して薄い墨で書かなくてもよい
- 横書きの記入欄がある場合、アラビア数字でOK
- 中袋がない場合、表に名前、裏に住所と金額を書く
- 市販の香典袋は、金額などの記入欄があるものが多い(関東)
現代において、香典の金額が改ざんされることはまず考えられないので、書き方についてはあまり気にする必要はありません。
くれぐれも書き方ばかりに気をとられて、お金を入れ忘れないようにしてくださいね!
(たまにあるようです…)
香典の金額において大切なのは、
- 香典の中身と記載した金額があっていること
- 文字が丁寧で読みやすいこと
- 故人と遺族を思う気持ち
以上の三点です。
これからの時代は、ペーパーレス化がどんどん進み、香典袋も簡素化されて無駄がなくなっていくかもしれません。
しかしすべてが簡素化されてしまうと、なんだか寂しい気がします。
香典もすばらしい日本の文化です。
昔からの伝統の書き方を受け継ぎつつ、時代に合わせて難しいことは簡素化するのがいいのではないでしょうか。
関連記事:香典袋への住所の書き方を完全解説【縦&横/番地の数字/使うペン】
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