葬儀での喪主の挨拶、特に
夫を亡くした妻が喪主となったときの
告別式での例文を紹介します。
使いやすく簡単で万能なものから
いくつか家族の状況を想定して
例文を用意してみました。
今、あなたは旦那様の為に語りつくせない
言葉を整理している時間だと思います。
でも今はもう、考えている時間も
あまり無い時かもしれません。
あるいは、いつか来るときのことを
ふと考えている時かもしれません。
いくらぐるぐると考えを巡らせても
答えが出ずここにたどり着いたあなたの
ヒントとなることを願います。
なお喪主挨拶はカンペを見ながらで構いません。
用紙はできれば以下のフォーマルな
式辞用紙が適切ですが便箋でもよいです。
夫の葬儀で喪主の妻が行う挨拶の例文
挨拶の基本的な要素は次の通りです。
- 自己紹介
- 参列者への感謝
- 故人の享年と亡くなった時の状況
- 死亡原因
- 生前のご厚意への感謝
- 生前のエピソードなど
- 今後のお付き合いのお願い
- 締めの言葉
順番は多少前後してかまいません。
亡くなった時の状況と死亡原因は
状況によっては省略した方が
いいこともあります。
例えば
悲惨な事故の状況であったり
年配の方が多い場合にリアルな
病気の話は控えた方がいいと思われます。
長すぎると感じたら
亡くなった時の状況、死亡原因、
生前のエピソードは
省略してもいいでしょう。
オーソドックスな例文
太郎の妻の裕子でございます。(自己紹介)
本日はお忙しい中、亡き夫、太郎の葬儀にご足労いただきまして、ありがとうございました。(参列者への感謝)
昨年の秋に胃がんと診断されてから半年余り入院して闘病を続けてまいりましたが、一昨日の朝6時頃眠るように息を引き取りました。
58年の生涯でした。(故人の享年と亡くなった時の状況、死亡原因)
お酒の好きだった夫は入院中、お友達が見えるたびに退院したら飲もうと言っていましたが叶いませんでした。
今頃は向こうでお父様と一緒に久しぶりにお酒を酌み交わしていると思います。(生前のエピソード)
生前、夫が大変お世話になりましたこと、心から感謝しております。
お世話になった皆様に、夫に代わって御礼申し上げます。(生前のご厚意への感謝)
皆様には、これからも変わらないご厚情をお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。(今後のお付き合いのお願い、締めの言葉)
状況の説明や生前のエピソードに
よってはもう少し長くなります。
簡潔で万能な例文
太郎の妻の裕子でございます。
本日はお忙しい中、亡き夫、太郎の葬儀にご足労いただきまして、ありがとうございました。
生前、夫が大変お世話になりましたこと、心から感謝しております。
お世話になった皆様に、夫に代わって御礼申し上げます。
皆様には、これからも変わらないご厚情をお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
使いやすさ・短さ・読みやすさを重視した
挨拶の例です。
最低限の要素は含んでいます。
こんな時に何も考えたくない!
ということも当然あるでしょう。
今は本当に何も整理がつかない!
という気持ちでしょう。
そんなときはこの挨拶で充分通用します。
これくらい短い挨拶でも
あなたが哀しみをこらえて一生懸命
喪主の役目を務めようと
しているのですから誰も咎めたりはしません。
結婚して間もない場合
太郎の妻の裕子でございます。
本日はお忙しい中、亡き夫、太郎の葬儀、告別式にご足労いただきまして、ありがとうございました。
故人の太郎は、30歳でした。
交通事故により短すぎる一生を閉じることになってしまいました。
これからが本当に楽しい時期だったのにと悔やしい気持ちでいっぱいです。
でも、短い期間ではありましたが、太郎は私に多くの思い出と愛情を残してくれました。
太郎の優しさに応えられるよう、これから先を幸せな人生にしていかなければと思います。
みなさまには、これからも変わらずご厚情をお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
大好きな旦那様からの愛に対する感謝と
それを糧に頑張って未来に進む意思を
伝える例文です。
あなたはこれから一人でなんでも
解決しなければならない状況です。
今挨拶の文章を一人で考えているのも
その一つです。
こんなとき今までなら旦那様が
そばにいてくれたはずです。
そんなあなたの悲しみの大きさを
推し量ることは誰にもできません。
しかしあなたの人生は
これからもまだまだ続きます。
悲しむだけではあまりにも長すぎます。
あなたはこれから
旦那様の愛情に報いるためにも
幸せにならなければならないのです。
大丈夫です。
これからはいつも旦那様が
見守ってくれていて
困難を乗り越える力を与えてくれます。
大丈夫です。
今あなたは自力で問題を解決するために
努力しています。
大丈夫です。
前に進もうと頑張るあなたを見て
周りの皆もきっと応援してくれますよ!
小さな子供がいる場合
太郎の妻の裕子でございます。
本日はお忙しい中、亡き夫、太郎の葬儀、告別式にご足労いただきまして、ありがとうございました。
故人の太郎は、35歳でした。
太郎は、私たち家族に安心と幸せを与えてくれるはずでした。
まだこれからの私たちを残していく事がどれほどの無念だったか計り知れません。
私たちは、今だけでなくこの先も大きな困難が続くことでしょう。
しかし、子供に幸福な人生を歩ませる事、そして私自身も幸福な人生を歩む事が太郎の供養になると信じています。
皆様には、これからも変わらずご厚情をお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
これからあなたが子供を守って困難を
乗り越えていくという意思を参列者の
方に伝える例文です。
あなたは今挨拶の内容を考える時間も
惜しいほど忙しいでしょう。
今はこの先どうするか
子供をどう育てていくか
考えるのが精いっぱいで
亡き夫を悔やむ時間すらほとんどない
のではないでしょうか。
あまりにもつら過ぎる状況です。
しかしあなたはそれでも
時間のない中、焦る気持ちをおさえて
挨拶文を考えています。
なんという英断でしょうか。
なんという冷静さでしょうか。
あなたに敬意を表します!!
あなたは強い母です!!
この先あなたが困難をどう乗り越えるか
私では想像もつきません。
少しでもあなたのお力に
なれるように例文を用意しています。
あなたに合わせて少しだけ修正して
いただければすぐに使えます。
悩んでいる時間ももったいないので
ぜひ参考にしてみてください。
私も、あなたとお子様の幸福を
願っています。
子供が独り立ちしている場合
太郎の妻の裕子でございます。
本日はお忙しい中、亡き夫、太郎の葬儀、告別式にご足労いただきまして、ありがとうございました。
太郎のおかげで子供が全員成人し、孫にも恵まれました。
ここまで私達家族を導いてくれた太郎に最大の感謝をしています。
太郎も、この先の未来をもっと楽しみたかったはずです。
残された私達で幸せな未来を作っていくことが太郎への供養になると信じております。
皆様には、これからも変わらずご厚情をお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
子供を育て上げた偉大な父としての
旦那様に感謝を伝える例文です。
ここまでの道のりは決して平坦なもの
ではなかったはずです。
これから先、なにより孫の行く末は
どれほど楽しみだったことでしょうか。
あなたはこれから先、旦那様なしで
生きて行かなければなりません。
しかし思い出してください。
父と同様にあなたも偉大な母なのです。
旦那様と共にここまでやり遂げた
すばらしい母なのです。
すぐに悲しい気持ちを振り払うことは
難しいでしょう。
あなたにはまだまだやらなければ
ならないことがあります。
あなたと子供たちの生活、そして
なにより孫を見守っていかなければ
なりません。
あなたが元気でいることが子供や孫を
勇気づけますし、あなたも子供や
孫から元気をもらいます。
旦那様にいい報告ができるように
前を向いていきましょう。
大丈夫です。
ここまでやり遂げたすばらしいあなた
なら道を切り拓いていけます。
あなたの誇りと強い意思を旦那様と
参列者に見せてあげましょう。
大往生の場合
太郎の妻の裕子でございます。
本日はお忙しい中、亡き夫、太郎の葬儀、告別式にご足労いただきまして、ありがとうございました。
夫は8月8日に老衰のため、眠るように静かに息を引き取りました。
享年90歳でございました。
私と歩んだ65年間、決して平坦な人生ではありませんでした。
しかしどんなときも夫太郎は頼もしく私どもを導いてくれました。
今も悔いが残るものはありますが、大往生ともいえる最後であったことは妻として何よりの慰めでございます。
本日は、皆様にお見送りいただき、夫もきっと喜んでいると思います。
夫に代わって心よりお礼を申し上げます。
皆様には、これからも変わらないご厚情をお願いいたしましてご挨拶とさせていただきます。
ここまで頼もしい生き方を見せ、
大往生と呼べる最後を迎えた旦那様への
敬意を伝える例文になります。
あなたは自力にてネットでここまで情報
をたどる能力をお持ちなのですね。
自身が元いた時代に取り残されず、
今も現役なすばらしいお母様ですね。
決して誰でも出来ることではありません。
すばらしい能力をお持ちのあなたは
残りの人生を実りあるものにすることも
絶対に出来ると信じています。
もし余裕があるなら、挨拶の中で旦那様
の活躍ぶりを紹介してあげてください。
喪主として妻が夫を送る挨拶の例文まとめ
今回は状況別に挨拶の例文を紹介させて
いただきました。
どれもあなたの状況に合わせてちょっと
修正するだけですぐに使えるものに
なっています。
内容を考える際の要点について
以下にまとめます。
- はじめと終わりは典型的でいい
- 独自性は生前のエピソードが大事
- 時間が無ければ例文を使う
告別式の挨拶は、初めと終わり、感謝の言葉あたりはほぼ決まり文句です。
独自性を出したいなら生前のエピソードが大事になります。
「旦那様が何を残してくれたのか」
「残されたあなたの思い」
「参列者の皆様に伝えたい意思」
など、伝えたいことを簡潔にまとめましょう。
例文を自分の状況に合わせて修正して利用するのが簡単です。
挨拶の内容を考えるのは、
葬儀全体を考えると
あまり時間は掛けられません。
ぜひ本記事の例文をアレンジしてお作り下さい。
なお喪主挨拶に故人の闘病を
盛り込む場合の例文は
以下の記事を参考ししてください。