お葬式に履いて行く靴がたとえ黒色であっても、それが金具付きの靴なら、それはマナー違反なのでしょうか?
結論から申しますと、一般的にはマナー違反となるのでお葬式に金具付きの靴を履いて行かないほうが無難です。
ただ、突然の悲報を受けて、慌てて準備をする場面も少なくはないでしょう。
私自身もそうでしたからお葬式に相応しい靴を用意できなくても仕方のない事ですし、大切なのは故人を偲ぶ事なのですから。
しかし、知識不足により参列者に「失礼だ。あの靴は何だ」と思われてしまっては、故人を偲ぶその気持ちも理解されない事になってしまいます。
今回は、お葬式に金具がついてる靴を履いて行く是非と、マナー違反を避ける方法を徹底解説します。
また急なお葬式で、金具がついてる靴しか持ち合わせがない時の対処法を私自身の経験を踏まえてお話ししますのでどうぞご参考になさってください。
葬式に金具つきの靴を履いて行ってよいか
結論からお話いたします。
お葬式の靴には金具無しが無難です。
「大きい金具からNG?」
「小さい金具だから許容範囲かな?」
あれこれ考えて時間を過ごすなら、金具の付いていない靴を購入するのが無難です。
しかし・・・お葬式当日に気付いたアナタ!
どんなに金具が気になっていても、そんな時はどうする事もできません。
まずは、そんな時の参考の為に即席の対処法をお伝えします。
- 黒の油性マジックを探す
- 金具の部分を塗ってしまう
- 家に戻ったらマジックをラッカーシンナーでふき取る
以下のようにもっと切迫している場合はどうしましょうか。
- 慌てず、焦らず出発する
- 目的の駅へ到着したら黒マジックを買う
- 目立たぬ場所で金具を塗る
- 家に戻ったらマジックをラッカーシンナーでふき取る
ちょっと強引ですが、どうしても気になる場合の応急処置です。
実際に私が試したので、以下、画像とともにご説明します。
なお金具付きの靴がなかったので、ベルトの金具で試しました。
こちらが初期状態です↓
マジックで黒く塗りました。
シルバーは目立ちません↓
拭き取りです。
金具右下部分がきれいに拭き取られています。
わかりますか?↓
「どうしても時間が無い」時の即席の対処法をご紹介しました。
金具つきの靴でも目立たなければ葬式で履いてもよい?
金具付きの靴を葬式に履いて行こうとする際、自分に言い聞かせるように「これくらいならいいよね」と思ったものの、何だかもやもやすることになります。
具体的には以下のように思うことです。
- 小さい金具ならいいよね?
- 目立たなければOK?
- 鏡面仕上げじゃないなら大丈夫?
- ゴールドでないならいいのかな?
このような考え方もあるのですが、これは「葬儀当日で用意するのには時間が無い」と言う状況においてのことと理解したほうが良いです。
葬儀まで日数があるなら、葬儀用として金具が付いていない靴を用意しておきましょう。
男性、女性ともに下記の靴なら問題ありません。
男性は以下のような黒のストレートチップで内羽根式を選んでください。
葬式に履く靴に金具がないほうがいい理由
私自身は親から「光り物は控えたほうがいいよ」と言うアドバイスを受けましたし、私もそのようにアドバイスする事もあります。
それとは逆に、前項のように「目立たなければ大丈夫」と言う人もいます。
あなたが社会経験があまり無いなら困ってしまうのも無理がありません。
【十人十色】と言うように、考え方も人それぞれです。
【心コロコロ】ともあるように、その場の状況で人の考えは変化します。
もし、会社関係の葬式なら職場の上司も弔問に参列されるでしょう。
その上司があなたの靴について指摘をするかも知れません。
親戚の中には葬式の身なりに対して厳しい方がいたとしたら「その靴はあまり好ましくないよ」と言われるかもしれません。
でも言われたら、人間ですもの、あまり気持ちがいいものではありませんよね。
うすうす解っていることを言われると、内心「わかってますから」って思うのが人情です。
どこの世界にも何か言わないと気が済まない人がいるんです。
そんなこと言われないかなって、心配したり、言われたりすることは避けたいものです。
これが葬式に履く靴に金具がないほうがいい理由の一つです。
一番肝心な故人に冥福を祈るという気持ちに水を差してしまっては元も子もありませんし。
葬式の靴の金具はどれ位までならよいか
ここは、かなり微妙かつデリケートな部分でもあります。
例えば、こんな質問。
「靴紐を通す部分の金具は?」
「パンプスのストラップ金具は?」などがありますが、葬式で履く靴はあくあでも「派手にならない」が基本です。
「紐を通す穴の部分のみが金具」だとしてもそれらはカジュアル向きなデザインが多い為避けたほうが無難とされています。
それでは、一体どのような靴が葬儀に履くのには無難なのでしょう。
細かい金具のことに簡単に触れておきます。
- 紐を通す穴の部分のみが金具はカジュアルとなる為、避けたほうが無難
- パンプスのストラップ金具は派手な飾りでなければ良いが、そもそもストラップ付のパンプスは葬式の靴に適さない
細かく言うと靴の色々な金具部分が気になりますが「派手またはカジュアルにならない」ことを忘れないようにしましょう。
そもそも葬式の靴に金具付きを避けたほうがいいのは何故?
そもそも、この部分を理解していれば何も難しい事はありません。
むしろ、このような事に気を配れる人になってしまうのが大切なのかも知れません。
お葬式は【弔事:ちょうじ】です。
弔事は、お通夜、葬儀、火葬など、お悔やみ事を言います。
それに対して【慶事:けいじ】があります。
慶事はお祝い事です。
「何を言いたいのですか?」と声が聞こえそうですが、例えば【金具=光り物】【光り物=反射して光る】こんな事を連想するのが普通です。
この【反射して光る】事ですが、キラキラと光る=派手、目立つなどは、お祝い事を連想しますね。
葬儀という場所で、お祝い事を連想させるような物は身に着けないほうが良いという考え方です。
葬儀は、お悔やみ事ですから、靴の金具が派手にキラキラと光っていては、弔事という席には相応しくないと言う考え方です。
弔事で「金物光り物」を身に着けるのを避ける理由として「悲しみの中にあるご遺族に対し、お祝い事を連想させてはいけない」のが理由のひとつだと思えば、「良いとか悪い」では無く、出来るだけ金具が無いシンプルで質素な靴で弔問したほうが良いと素直に理解できます。
葬儀の文化などから考えるのではなく、あくまでも、ご遺族の立場、お悔やみの場所である事を理解し、光に反射して派手に見えるようなものは避ける、と考えれば「家にある、金具付きの黒い靴」を葬式に履いていくかを迷う事もなくなります。
「葬式に金具つきの靴を履いて行ってよいか」まとめ
私は、そもそもの理由を知り、ご遺族の気持ちになる事で、葬式の靴の金具の大小に迷う事はなくなりました。
- 金具は「反射して光る」イメージがある
- 光るものは、お祝い事、慶事を連想させるため、お悔やみ事である弔事には不適切
- この理由からも、ご遺族の気持ちを考えれば自然に「金具付き靴」は避けたほうが無難と判断できる
- 当日気付き、どうしても気になるなら「黒マジックで金具を塗る」という選択肢もある
- 当日まで日数があり、あれこれ迷うなら「金具なしの靴」を購入しておく
「関係者にどう思われるかな?」や「一般的にどうなのか?」を迷うなら【金具の無い葬儀に適した靴】を一足準備しておくのが最良の判断ですね。
関連記事:葬式に履いて行く靴にスエードは非常識?実際の所どうなのか解説
関連記事:葬式にふさわしいパンプスとは?【マナー違反は超簡単です】