いまではお馴染みの終活という言葉、
お葬式の準備や遺言書の作成などを
一番初めに思い浮かべませんか?
残される家族に迷惑をかけないことは
もちろん重要です。
ですが、終活をするにあたっては
これまでの人生を振り返り、
あなた自身が残りの人生を
どう生きるのか、
ご家族はどうあってほしいのかを
考えることが最も重要です。
これからの人生を
より良くするためには、
まず衣食住を充実させること。
特に住は一番大きな課題です。
あなた自身の、そしてご家族の人生を
より明るく幸せにするため、
生活のベースとなる家について
4つの視点から戸建て(持ち家)、
マンション別に解説いたします。
終活のベースは家選び!4つの視点から考えてみよう!
家を選ぶポイントは大きく次の4点です。
- これから誰とどこで過ごしたいか?
- 家族はどう思っているか?
- 費用的な備えはあるか?
- 相続のことを考慮しているか?
これから誰とどこで過ごしたいか?
あなたはこれからの毎日を
誰とどこで過ごし
どのように人生の最期を迎えたいと
考えていますか?
これからの人生をどこで誰と、どう生きるか、
それは終活の家選びの基本です。
家族はどう思っているか?
あなたの家族にも
みんなそれぞれ希望があります。
これからどうしていきたいのか
家族みんなで話し合うことは
とても大事です。
よく話し合って
家族全員が幸せになれる道を
見つけましょう。
あなたの独りよがりで
決めてしまっては
家族が不幸になるばかりです。
費用的な備えはあるか?
楽しく理想の家を考えても、
現実的には常に
お金の問題があります。
建築費や購入費、
賃料などはもちろん、
建替え費用や修繕費の積み立てなどの
ランニングコストは忘れがちですが
結構かかるものです。
蓄えは十分か、どのように調達するか
慎重に検討しておきましょう。
家を売ってマンションを買おうと
思っても不動産の売買はなかなか
思い通りにはいきません。
相続のことを考慮しているか
いざあなたが人生の旅を終えた時、
家族はあなたの資産を相続します。
相続税などお金がかかるのはもちろん
ただでさえ手続きが多くて大変です。
相続財産が非課税分を超えていないか等
家族でや専門家とよく話し合って、
余計な心配や苦労を
かけなくていいようにしておきましょう。
【終活での家選び】戸建かマンションか賃貸か?高齢者向け賃貸もアリ?
~家の種類は大きく4つ!~
- 戸建(持ち家)
- マンション
- 一般賃貸住宅
- サービス付き高齢者向け住宅
暮らしのイメージが共有できたら、
具体的な家の検討に入ります。
次に4つに分類して、
それぞれどういった特徴があるのか。
まとめてみました。
戸建(持ち家)の安心感は抜群!建替えも要検討!
長年住み続けた土地は勝手がわかるし
愛着もあります。
できたら今の場所で生活を継続したいと
あなたもが願っているのではないでしょうか。
その観点から考えてみましょう。
戸建(持ち家)の安心感
戸建(持ち家)があれば、
最後までそこに住み続けたい
という方も多いはず。
家の中も周辺環境もご近所も、
勝手知ったる場所です。
あなたも家族も
たくさんの思い出や
思い入れに囲まれて
過ごすことができます。
一緒に住む家族構成が
変わらないなら、
戸建(持ち家)の安心感・安定感は抜群です。
年齢を考慮する
生きている限り人は年を取ります。
あなたも家族も高齢になると
身体能力が落ち家の中で
思わぬ大けがを負うことも…
家の中がバリアフリーじゃないことが
多いからです。
また、今まで歩いて行けたところまで
行けなくなったり、
車や自転車に乗りづらくなったりと、
生活圏がグッと狭くなります。
スーパーや医療機関、交通機関など、
高齢になった時の
生活圏内に何があるかも
押さえておくと安心です。
状況に合わせて自由に作り変え可能!修繕費用の備えは必須!
バリアフリーにしたいときなど
自分で自由に工事できるのが
戸建(持ち家)の良い点です。
しかし、家が歳を取ると、
他にも色々と修繕が必要になります。
私の友人の話ですが、
家を相続したら、
水回りや屋根や外壁の工事で
ウン100万円かかったと
嘆いていました。
10年単位で100万円、
30年で建替え・リフォームが
必要と言われています。
工事以外にも8~10年程度で
大型家電も買い替え時期になります。
修繕と相続を考えて資金計画を!
特に高額になるリフォームや建替えを
あなた自身で費用負担できると
受け継ぐ側も安心です。
ただ、大型修繕を相続前に行った場合、
家の評価額が上がり、
相続税が上がったり非課税だった
相続税が課税になったりすることがあります。
修繕・リフォーム費用だけ用意して
相続後に工事をする方が
全体的に安くなるケースがあります。
どちらが得かを調べた上で、
タイミングを決定するのがベストです。
無駄が発生しないかも要注意!
家族で意見を出し合った際に、
子どもが独立することに
なるかもしれません。
家族構成が少なくなる場合は、
家の二階が物置状態になるなど、
無駄なスペースが生まれます。
無駄なスペースにかかる光熱費や
掃除の手間も無駄になります。
また物置部屋の整理は、
残される家族からすると、
かなりの手間になります。
私も遺品整理で
金メッキの食器が出てきた時、
メッキか純金かも不明だったので、
価値を調べるだけでも大変でした。
マンション暮らしで生活がコンパクトに!あとはコストと築年数!
子どもの独立などで
家族構成が少なくなる場合や、
戸建(持ち家)が郊外で、
車がないと何かと不便な場合、
都市部に近いマンションに
住み替える人もいます。
家族構成に合わせて無駄を排除!
一緒に住む家族の人数に合わせて
購入する部屋を決められるため、
家の無駄なスペースもなくなり、
また光熱費も抑えられます。
引っ越すついでに断捨離すれば、
遺品整理問題も負担が軽くなります。
利便性抜群!修繕の手間もなし!
マンションの多くは、
エントランス、オートロックがあり、
セキュリティに優れている上、
利便性の高い場所にあることが多く、
生活圏をコンパクトにできます。
修繕は管理会社が行うため、
その手間も省けるのが良い点です。
イニシャルコストとランニングコスト
マンションの場合は
購入費用が高額ですが、
買って終わりではありません。
車の駐車場代もかかります。
管理会社が行う修繕のための
修繕積立金も毎月発生します。
それぞれの費用はピンからキリまで。
イニシャルだけでなく
ランニングコストも
資金計画に含めておく
必要があります。
修繕積立金に要注意!
また、修繕積立金が不足し、
大型工事を先延ばしするマンションも増えています。
工事の早期実施のために、
修繕積立金が段階的に
新築時の約5倍に
上がることもあります。
大型修繕は戸建(持ち家)同様
10年サイクルになります。
住む期間を意識した
資金計画も重要です。
資産売却での資金調達はタイムラグを考慮
初期費用や月額費用の捻出のため、
戸建(持ち家)などの資産を売却して
資金調達をすることも
あるかと思います。
いざ家を売ろうとしても
すぐ売れないことがありますので、
売りに出してから実際に売れるまでの
タイムラグを予め考慮しましょう。
また予想の価格で売れないことも
ありますので、すぐ売却できそうか、
いくらになりそうかを
早めに確認しておくと
動きがスムーズになります。
一般賃貸住宅は低コスト!入居前後のトラブル注意!?
マンションを購入するほど
コストをかけたくないなら、
一般的な賃貸住宅(以下、一般賃貸)
での暮らしも選択肢にあります。
コスト重視!諸手続きも簡単!
一般賃貸はマンション同様、
家族構成に合わせて
部屋を決められる上、
入居時の費用を抑えながら
住み替えすることができます。
また、自分の資産ではないため、
権利譲渡の手続きがなく、
行政書士等の仲介がいらないため、
名義変更の手続きは遥かに簡単です。
物件豊富!修繕の手間もなし!
一般賃貸はマンションに比べて
物件数が多く、
あなたのイメージした場所や、
子どもの家の近くに引っ越すことも
比較的簡単です。
また、修繕は管理会社が行います。
修繕積立金もなく、
全体的にコストも
手間もカットできます。
入居前後のトラブルに注意!
一般的に終活をはじめるのは
60代の方が多いようですが、
この60代での物件探しでは、
入居を断られるケースがあります。
また、騒音などの
隣人トラブルが発生するのも
一般賃貸では比較的多いです。
私も一般賃貸で
一人暮らししていた時、
隣の大学生が毎週のように宴会をし、
夜中に何度も
起きることがありました。
管理会社に問い合わせても
改善されることがなく、
結局引っ越すことになりました…
早めの行動が何より大事!
入居前後にトラブルがある
可能性を考えると
一般賃貸を選択する場合は、
早めに物件を探し、
早めに落ち着ける物件を
見つけることが大事だと言えます。
高齢者向け住宅!ランニングコストと入居のタイミングが肝!
終活が全国的に浸透し、
国の施策として現在増えているのが、
高齢者向けマンションです。
サービス付高齢者向け住宅
とも言います。
高齢者のための家は先々も安心!
高齢者向けマンションだけあって
60代以上でも入居拒否はありません。
また、設備がバリアフリーだったり、
医療機関が近くにあったりと、
環境面も整備されています。
介護型と言われる施設では
介護保険を使った介護サービスを
受けることもできます。
病気や怪我で急に動けなくなるなど、
一人暮らしの高齢者にとっても
安心できる家です。
入居待ちが年単位!!
終活が一般的になったこともあり、
多くの高齢者向けマンションで
入居待ちが発生しています。
人気物件だと
年単位での入居待ちがあります。
こちらについても
早めの物件探しが重要です。
入居のタイミングと入居できる期間を考慮
一般賃貸に比べると
入居時の費用が高額です。
好立地・高サービスの施設では
初期費用が100万円を超えることも
ザラにあります。
また、そういった物件は、
月額賃料も高めに設定されており、
サービス内容によっては
20万~40万円かかる所もあります。
入居が長期になると
相当な金額になりますので、
資金計画はしっかり立てておく
必要があります。
終活のベースは家選びのまとめ!!
- 家選びは同居人・場所・家族と相談・資金計画が肝!
- 相続も含めた検討で万全の体制を!
- 家の種類と特徴を捉えて早めに計画しよう!
終活における家は
あなたと家族の理想を
叶えるベースです。
今ある資金・資産、
調達できる資金と、
これからかかる費用を考慮して
みんなが最も幸せに
暮らせる選択肢を
見つけることが大事です。
そしてその中で、
将来の不安を
一つでも多く取り除くことが
終活の大きな一歩になるのです。