昨今では大都市近郊を中心に
一般葬を選ばず、
家族葬を選ぶ喪家が
増加傾向にあります。
気心の知れた家族や
親しい知人だけを呼び
静かに見送ってほしい
と考える方が多くなっている為です。
そして
そのような家族葬では
遺族のご意向で
葬儀参列を遠慮することがあります。
あなたも家族葬だからと
参列を遠慮したことはありませんか?
そういった
お悔みが出来なかった葬儀の場合でも
後日、改めて弔問に訪れたいですよね。
今回は、家族葬で参列できなかった為
後日弔問する際に持参するお供えについて
相応しい品物や弔問時のマナーを解説いたします。
家族葬の後日の弔問は行くタイミングを考えて!
家族葬を選んだ理由は
各家庭によって様々ですよね。
家族葬の後日、弔問に訪れる際は
家族葬を選んだ遺族に
配慮することも大切です。
後日弔問の場合、
あなた以外にも
バラバラに弔問客が来ることが
考えられます。
葬儀が済んで間もない場合は、
遺品の整理や相続関係の手続きなども
並行して行わなければなりません。
遺族の負担は決して
小さなものではないでしょう。
私は学生の頃
曾祖父を家族葬で送りました。
その時も後日弔問者の人数は
とても多かったと記憶しています。
曾祖父の死を悼んで
弔問していただくのは
とても有難い事です。
しかし、また同時に
休む暇もなく対応に追われている家族に
「倒れてしまうのではないか」
と、学生ながらにも
心配した覚えがあります。
そういった後日対応に追われないよう
家族葬を選んだご遺族が
後日弔問やお香典を辞退する
場合も少なくありません。
そんな事情も踏まえて
後日弔問をするのであれば
たとえば、
葬儀後1週間程度は空けるなど
訪れるタイミングについても良く考え
弔問するようにしましょう。
それだけでも遺族の負担は
大幅に軽減されるのです。
後日弔問する際の基本的なマナー
まずは事前に弔問に訪れる日時を、
相手に伝えます。
家族葬では弔問を辞退していたり、
葬儀後も遺族は
相続手続きや法要の準備などで
忙しい可能性があります。
家族葬の後日弔問は
葬儀の後始末が付く
三日から四十九日以内を目安に
訪問するのが良いとされています。
ですがあくまでも目安なので
どうしても都合が合わない場合は
四十九日を多少過ぎても構いません。
ご遺族との予定が合わないのであれば
無理をしないようにしたいものです。
またご遺族の負担にならないよう
弔問の際は長居は避けましょう。
次に服装です。
後日弔問の際は
喪服ではなく平服で伺います。
その際も
黒・グレー・紺などの、
華美ではない色を選びます。
もちろん結婚指輪を除く
アクセサリーは避けてください。
家族葬で後日弔問時お供えするのに相応しい定番の品物
家族葬後の弔問に伺う際は、
お香典やお供えを
持参するのが礼儀です。
ではどのようなお供えを持参すると
良いでしょうか?
相応しいお供えものにも
いくつかの種類があります。
定番とされるお供えを
注意点と一緒に見ていきましょう。
線香
お経には
線香の香りは仏様の食べ物であると
示されています。
そのため、仏教では
亡くなってから仏の世界へ旅立つまでの
四十九日間
絶やさずに線香を焚き続ける
という風習があります。
そのような事情で線香は
お供えするものとして
最もポピュラーな品物だといえます。
ところが
線香を選ぶ場合
注意したい点がいくつかあります。
そちらを下記にまとめてみました。
①家庭用と進物用は違う
線香には
様々な香りのものがあります。
線香をお供えとするなら
オーソドックスな香りや
煙の少ないものを選びましょう。
分からなければ
仏具店の店員さんに尋ねるといいです。
②皆が供えている可能性がある
線香はお供え物の代表格。
当然、弔問先では
既にたくさんお供えして頂いている
可能性が高いです。
線香が山となってしまうことも…
日常的に線香が必要になるなら
多くても困りませんが、
普段あまり使用しない家庭では
使い道に困ることも考えられます。
③仏教に限られた風習
当然のことですが
神式やキリスト教では、
線香をお供えする風習がありません。
弔問先が
神道やキリスト教徒の家庭の場合は
線香をお供えしてはいけません!
花
花もまたお線香と同様に
一般的な供え物です。
線香と違って花は基本的に
どの宗教でも用いられます。
ただし、宗教によって
若干花の種類が異なります。
宗教ごとの供花には
次のような違いがあります。
・仏教
白、黄色の花を中心とする。
(菊・カーネーション・ユリ・コチョウランなど)
・神式
白、黄色の花を中心とする。
・キリスト教
白一色にする。
自分自身で選ぶのは難しい時は
花屋さんで弔問に持参するといえば
見繕ってもらえるでしょう。
お菓子・果物
お供えとして
お菓子や果物を持参するのも良いです。
故人の好物だと尚良いでしょう。
ただし
生菓子など日持ちの短いものや
要冷蔵・要冷凍の品物は
避けてください。
またのしや表書きは
宗教や地方によって風習が様々です。
分からない場合はお店に相談し
教えてもらうと良いでしょう。
最近では
実店舗だけでなくネット通販でも
お供え用の商品が充実しています。
価格も高すぎず
相応の値段で注文できるので
そちらを検討してみるのもありですね。
仏教・神道・キリスト教のタブー
お供えに相応しくない品物もあります。
まず、仏教の場合は
肉や魚などの生ものは
厳禁です!
また
お酒類もよくありません。
間違ってもお供えとして
持参しないようにしましょう。
神道では海産物や野菜、果物、
穀物、酒類が供物になります。
日持ちする干菓子や最中も
人気があります。
逆に、四本足の動物の肉は
お供えとしてはタブーとされます。
キリスト教式は
そもそも供物という習慣自体が
存在しません。
白い花を使った供花だけを
お供えとします。
宗教により様々ですので、
相手の宗教に
配慮するようにしましょう。
仏教・神道・キリスト教でお供えに一番相応しい品物と相場
今まで、お線香、お花、
お菓子・果物と見てきました。
その中でも、
仏教や神道でのお供えとして
一番ふさわしいと考えられるのは
お菓子・果物です。
特に仏教では
お仏壇に上げられたお供えは
「仏さまのお下がりとして頂く」
とも言われています。
また、単純に
あなたがご遺族側の立場であれば
実際に頂いたお品は自分たちの生活で
消費できる物の方が
有難いと思いませんか?
もちろん、お線香やお花が
良くないというわけではありません!
ただし、キリスト教の場合は
供物がありませんので
白い花のかご盛りや花束
を持参してください。
お供えの相場はいずれの場合も
2000円~4000円の物が良いとされています。
あまり高価なものは
ご遺族が困惑してしまうので
避けるようにします。
後日弔問時のお供え物を渡す際のマナー
では実際に
弔問に訪れた際には
どのようにして
お供え物を渡すのでしょう?
具体的に順を追って見てみましょう。
まずはご遺族と顔をあわせた時、
「この度はご愁傷さまです」など
お悔やみの挨拶をします。
ご仏前や祭壇の前では
故人にも挨拶をします。
その後
ご遺族に再度お悔やみの挨拶を述べ、
持参したお供えを渡します。
菓子折りなどは
手提げから出して渡しましょう。
家族葬で後日弔問をして良いか分からない場合
このようなツイートを見つけました。
訃報が回ってきて葬儀時など問い合わせた、家族葬のため気持ちだけで…と言われた場合、有志で後日お供え送るのはありなの??
お身内でご縁のないかたと言う関係性ではかえって迷惑なのかなぁと遠慮したんだけど。— ままこ (@mamako_ss) November 8, 2017
このように「お気持ちだけで」と言われ
後日に弔問してよいかが
はっきりしない場合、
困惑してしまいますよね…
この方は結局
後日の弔問を遠慮されていますが、
有志で後日お供えを送ったとしても
ご遺族側がその有志を
突き返すようなことは、
あまり考えられません。
ただし
「お気持ちだけで」という言葉が
本当に後日の弔問やお供えを
お断りしている場合もあります。
日本では、何事も
「はっきりと言う」ことを嫌います。
曖昧にして、断定しないことが
美徳とされているのです。
それは同時に、
言葉をどう受け取ったのか、の答えを
相手に任せることです。
曖昧だな、と感じた際には
やはりご遺族の身になって考える事が
最優先です。
「あなたが遺族だったなら」
そういった視点に立って
考えてみましょう。
家族葬で後日弔問時のお供えまとめ
家族葬の後日弔問におけるお供え。
細かいマナーなどをみてきましたが、
結局のところ一番相応しいお供えは
渡す相手によって様々です。
この記事を見て
お供えを選ぶ参考になれば幸いです。
最後に、まとめてみましょう。
- 家族葬の後日の弔問は行くタイミングを考えて!
- 後日弔問する際の基本的なマナー
- 家族葬で後日弔問時お供えするのに相応しい定番の品物
- 各宗教でお供えに一番相応しい品物と相場
- 後日弔問時のお供え物を渡す際のマナー
- 家族葬で後日弔問をして良いか分からない場合
・家族葬を選んだ遺族に
配慮する
・事前アポ取りは必ず行う
・後日弔問のタイミングは
三日後~四十九日以内が目安
・長居はしない
・喪服ではなく地味目の平服で
・お線香
(以前ポピュラーだったが今は違う)
・お花
・お菓子、果物
・仏教・神道・キリスト教のタブー
・仏教と神道の場合、
相応しいお供えは
お菓子・果物
・キリスト教の場合、
供花を選ぶ
・相場は2000円~4000円
・お悔やみの言葉を伝え
お供えを渡す
・「お気持ちだけで」は
日本人特有の美徳
・曖昧な言葉に困ったら
遺族側の視点で考える。
今もなお増え続ける家族葬。
後日弔問の際に持参するお供えは
そう簡単に決められません。
宗教の問題もあります。
また、
以前はお供えとして一般的だったが
今はあまり妥当ではない
といった品物もあるので
本当に悩みますよね。
けれど、忘れてはならないのは
ご遺族の意思の尊重。
家族葬では
後日の弔問を辞退される家庭もあります。
そう言った場合は、
無理にあなたの思いを
押し付けないよう気を付けましょう。