戒名

「戒名はいらない!」けど「お葬式は仏式で」の願いは叶わない?

「戒名はいらないという願いは叶うのか」
が今回の話題です。
戒名をもらうかもらわないかは、
あなたが決められます。
でも、ないと困る場合があります。

私たちはいずれ死を迎えます。
残されたあなたの大切な家族が
困らないように、戒名についても
生前に考えて相談しておくことを
お勧めします。

中でも、戒名はいらないのではないか
とお考えのあなた、
考えたこともないというあなたに
戒名が必要となる場面とその理由を
お伝えし、戒名はなくてよいのかを
一緒に考えていきます。

「戒名はいらない!」けど「お葬式は仏式で」という現実


葬儀に関するアンケート結果
( 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会)

によると、日本で行われる葬儀の
90%近くが仏式で行われています。
仏式のお通夜や葬儀では
祭壇に、戒名が書かれた位牌が
安置され、故人の供養のために読経が
行われます。

言ってみれば、仏式の葬儀と戒名は
セットのようなものです。

ところが戒名についてのアンケート結果を
まとめたサイトをいくつか調べてみると、
なんと回答者の半数以上が
「戒名はいらない」と答えています。

2つのアンケートの回答を合わせると
「葬儀は仏式で行いたいが戒名はいらない」
と考えている人の割合が
半数近くになります。
セットになっているものをバラバラにして
売ってもらうようなものです。
こんなことが可能なのでしょうか。

「戒名はいらない」の願いはそんなに簡単には叶わない?


戒名をもらわないで、仏式の葬式を
執り行うことはできるのでしょうか。
あなたと菩提寺、あなたと家族
の関係に注目して、この問いの答えを
探っていきます。

菩提寺からは戒名が必要だと言われる

戒名の「いる・いらない」は
菩提寺があるかないかで
大きく分かれることが分かりました。
「仏式」で葬儀や法要をするときには
原則として「戒名は必要」になります。
その理由をみていきます。

菩提寺があって、お墓の管理を任せている場合


あなたの菩提寺にお墓があり、
管理をお願いしているという場合
戒名を受け取ることを拒否すると
葬儀や法要、墓の使用などを
断れらることがあります。

戒名を拒否するということは
「私は仏教徒ではありません」
と宣言することを意味しています。
これが1つめの理由です。
仏教徒ではないのですから
仏式の葬儀や供養は必要ないと
判断されるのです。

2つめの理由は、戒名を拒否することは
お布施を寄付しませんという意思表示
とも捉えられるということです。
お寺は、葬儀や法要、戒名の
お布施の寄付で維持運営されています。
戒名のお布施が寄付されないとなると
経費が賄えなくなる事態に陥り
お寺の運営が困難になります。

すべてのお寺がこのような対応をする
わけではありませんが
あなたの菩提寺が葬儀、納骨を
拒否しないとは言い切れません。
葬儀は行えず、遺骨の納め先が決まらない
という事態を招きかねないのです。

とにかくコミュニケーションが大切です。
普段から菩提寺に報告や相談をして
関係を密にすることで
戒名なしで葬儀や納骨を
引き受けてもらえるかどうかについて
住職と話し合うことができます。
ただし、相談に乗ってもらえる関係が
構築されても、
必ず「戒名はいらない」の願いを
かなえてもらえるわけではありません。

やはり、菩提寺がある場合は
戒名をもたない葬儀や供養は
難しいと考えておくほうが無難です。

以下のツイートは
お墓に戒名なしで入れてもらうことが
常識的でないことを教えてくれています。
おもしろい上に、分かりやすいたとえです。

葬儀を菩提寺以外のお寺にお願いする場合


菩提寺が遠方にあるなどの事情があると
葬儀屋さんに手配をしてもらうか、
ご自分でネットで手続きし、
お坊さんを派遣してもらうかして
菩提寺以外のお寺に葬儀を
お願いすることになる場合があります。
このとき、菩提寺に相談することを
怠ると、ややこしいことになります。

葬儀屋さんに仏式の葬儀をお願いすれば
あなたの宗派に合わせて
僧侶に読経や戒名の手配をしてくれます。
仏式なので戒名はついてきます。
打ち合せのときに、
菩提寺やお墓があることを伝えることが重要です。

なぜなら菩提寺もお墓もあるけれど
別のお寺から戒名をいただいた
となると、菩提寺のお墓への納骨を
拒否されることが考えられるからです。

下のツイートは、戒名を会員ネームに
たとえて、他のお寺でもらった戒名や
戒名なしで菩提寺のお墓に入ることが
いかに無茶なのかを説明しています。

残された家族が戒名が必要だと感じている場合も

供養をするのは、故人のためですが
故人のためだけとは限りません。
残された家族が、
故人を失った悲しみを乗り越えるために
お葬式やお墓、そして戒名も必要だと
感じるかもしれません。

あなたの「戒名はいならい」という希望を
家族が知っていたとしても、それを
形にしてくれるかどうかは
残されたあなたの家族に委ねられています。
亡くなってしまった人には、願いを形に
していくことはできません。
亡くなった後でも、あなたの家族が
お寺にお布施を寄付して
戒名を授けられれば
あなたは戒名をもつことになります。

金銭や手続きの負担をかけたくないという
残された家族への思いがあっても
あなたの思いを通すことだけが
家族を気遣い、思いやっていることには
ならないこともあるのです。

あなたが自身の戒名がいるかどうか
について考えるとき、家族の思いも
頭の片隅に置いて判断をしてください。

仏式でも「戒名はいらない」を実現できる場合も


菩提寺がない場合に限りますが
寺院以外の霊園の墓地に納骨すると
戒名をもらわずに仏式の葬儀を
行うことができます。

読経だけをお願いできるお寺を
葬儀屋さんに紹介してもらうか、
ご自分でネットで手続きし、
お坊さんを派遣してもらうかして
葬儀を執り行います。
この場合は、読経に対して
お布施をすることになります。
あくまでも
菩提寺がない場合限定の話です。

もし、あなたが「仏式の葬儀」と
「戒名はいらない」の両方を望み、
それを実現させたいのでしたら
あなたの家族や親族に
「どうして?」という疑問を
残さないように明確な理由を示し
説明することが必要です。
それでも、家族や親族はあなたの思いを
正確に受け取ってくれないかもしれません。

むしろ、戒名がいらないときは
仏式の葬儀や法要をあきらめ、
無宗教の葬儀などに切り替えたほうが
周りからの理解は得やすくなります。

「戒名はいらない」と思う理由とは?


日本で仏式の葬儀が
高い割合で執り行われているのに
「戒名はいらない」という思いを
もつ人がたくさんいます。
その理由を探りました。

自分の名前(俗名)への愛着

誕生したときにつけてもらった名前が
大好きで、死後もその名前で
憶えていてほしいから戒名はいらない
というのが理由です。


確かに、葬儀に際して戒名をいただくと
亡くなった方は、自分の死後の名前を
知らないことになります。
墓石に刻んでも、家族も
あまり愛着はわきそうにもありません。

そういえば、私も
両親の戒名を今すぐ答えなさい
と言われたら困ってしまいます。

死後、戒名によってランク付けされることへの抵抗感

お寺への寄付という形であれ、
お金をたくさん出すと
ランクの高い戒名をもらうことができる
というのが現実です。
死してもなお、
お金によって格付けがされるのはいやだ
というのが戒名がいらないと考える
もう1つの理由です。

下のツイートは、生前の暮らしぶりが
死後にまで影響するような
戒名という制度を作り出したのは、
生きている私たちの業であると捉えていて
なんとも悲しい気持ちになります。

戒名をもらうときのお布施が高額すぎる


お布施が高く、そんなに寄付できない、
寄付したくないというのも理由の1つです。

先祖が代々高いランクの戒名を
授けらてきていると
次の代も同じランクの戒名がほしいとか
もらわなくてはならないと考えてしまい
経済的に追い込まれることになります。
この場合は、戒名はほしいけれど
高すぎることが問題なので
お布施が低額であれば、問題が解決します。
最近は戒名料が2万円ぐらいの
サービスがあります。
お寺のお布施の相場20万円~100万円
よりは安いです。ただし、
最高位の戒名になると20万円ぐらいです。

どんなに低額になっても
戒名のためにお金を出すことに
疑問を抱く人も少なくありません。
戒名という商品を購入するという感覚で、
商品の価値と代価が合わないから
購入したくないということになるわけです。
この場合は、当然、
戒名はいらないという結論に至ります。

戒名がなくても供養はできている


最近は、
暮石以外のものを墓標とする供養や
墓標そのものがいらない供養が
注目されています。

例えば墓石を墓標としない樹木葬で
霊園が管理運営している場合は
戒名は必要ありません。
ただし、寺院が扱っているものについては
必要になる場合があります。
理由は、前に述べたとおりです。

散骨という供養の方法を選んだ場合も
戒名は必要ありませんが、
下のツイートのように
「散骨希望=お墓不要」であっても
「散骨希望=戒名不要」ではないことも
あります。
戒名も含めて、供養への思いや形は
本当に多様です。

戒名のこと、どれくらい知っていますか?

戒名
戒名をもらわずに、仏式の葬儀や法要を
行うことは難しいことが
分かったきました。
戒名もらうことに気持ちが傾き始めた
あなたのために、戒名についての情報を
簡単に紹介します。

戒名は、いつ、だれからもらうの?

「戒名とは」でネット検索すると
1.受戒し仏門に入った者に授ける名
2.僧が死者につける名前
と出てきます。仏教の用語です。
仏教の宗派によって
「法名」(浄土真宗)
「法号」(日蓮宗)
と呼ぶことがあります。

普段、私たちが「戒名」を使う場合は
2の「死者につける名前」のことを指します。
この世を去り、仏様の弟子になったことを
示す名前です。

戒名は、「僧=お寺のお坊さん」が
授けてくださいます。
菩提寺が決まっている場合は
住職にお願いすると、経典などから
あなたにふさわしい漢字を見つけて
戒名を作ってくださいます。

次に「いつ」もらうのかの話です。
一般的には、亡くなった方のお通夜の
前までにもらって、
位牌にその文字を書き、祭壇に安置します。
俗名で葬儀をする場合は、
葬儀の後でももらうことができます。
また、生前にもらっておくことができます。
いつもらうかは、あなたの都合に
合わせられるということです。

戒名は、おいくらぐらい?


戒名を授けてもらう費用は
どのくらいでしょう。

だいたい20万円~100万円が相場です。
幅が広いのには2つの理由があります。
宗派とランクです。
戒名は、それぞれのお寺が金額を決めています。
同じ文字数の戒名をいただいても
お寺によって金額が違います。
戒名代が高くてもやもやした気持ちでも
菩提寺をかえることは難しいですから
住職の言い値で布施を寄付することに
なります。

さらに、戒名にはランクがあります。
最初に〇〇院とついたり
最後に△△居士、☆☆大姉と
ついたりすると、ランクが高くなります。
ランクが上がるほど金額も高くなります。

戒名を授かると、
お寺に対して料金を払うのではなく、
お布施を寄付するという形でお金を納めます。
戒名の場合は、
商品のように購入するものではなく
授けていただいたことに対しての
お礼として金品を寄付するもの
というのが正しい捉え方です。

そのために、体系的な料金が
提示されることが少なく、
金額の幅が大きくなるのです。

戒名の金額について考えてみたいあなたは
以下の記事を参考にして下さい。

戒名
戒名なんて馬鹿らしい!? 戒名に高いお金を出す必要あるの?戒名という言葉を耳にした事は あっても、仏教に従事して いなければ、意味や内容は 私もそうですがあなたも 良く解らないないのでは...

戒名は、自分でつくれる!


戒名は、必ずお寺からもらわなくてはならない
という決まりはありません。
あなたが自分の手で作ることができます。
そのときの注意点が2つあります。

意味や音に気をつけて漢字を選ぶ

戒名に使う漢字は
意味や音がよいもの・年齢に合うものを選びます。
難しすぎるものや悪い意味のものは避けます。

仏教の宗派ごとに
文字列の構成にも約束事があります。
書籍やネットの情報を集めて
参考にするとよいでしょう。

また、著名な方の戒名を参考にしてみる
というのも1つの方法です。
ネット上でたくさん紹介されています。

おもしろそうでやってみたくなります。
しかし、戒名は
位牌に書かれたり墓石に刻まれたりして
後世まで残ります。
亡くなってから何年間もあなたの戒名が
親族や近所の話題になったり
あなたの子孫が複雑な思いをしたり
という事態を招くかもしれません。
「タダだから」
という安易な考えは禁物です。

戒名を作ってくれるアプリもあります。
アプリで決めた戒名が書かれた位牌や
墓石に手を合わせることに
私は、抵抗を感じてしまいます。
そこまでして、自分で作った戒名が
必要なのか疑問です。

菩提寺との関係が壊れないように


戒名を自分で作ると、菩提寺との関係が
悪くなる恐れがあります。

あなたが自分で戒名をつくるということは
戒名については菩提寺への寄付をしない
ということです。檀家からのお布施は
お寺の存続にかかわる問題です。

どうしてもあなたが考えた戒名にしたい
というときは、菩提寺の住職に相談する
ことをお勧めします。
自分で戒名を考えた場合の
お布施についても率直に聞いてください。
菩提寺と連絡や相談を密にして
誤解やトラブルを回避したいものです。

なお、戒名のみお坊さんから
授与してもらいたい場合は、
以下の記事を参考にして下さい。

お坊さん便で戒名授与のみできる?宗派別の費用や流れを解説!家族葬や直葬を選ばれる方にとって、お坊さん便は、とても関わりやすいお寺になっています。 菩提寺を持たない、お寺との付き合いがない、宗教...

「戒名はいらない!」まとめ

日本中でたくさん執り行われている
仏式の葬儀や法要。
「戒名はいらない」という願いをあなたが
もっていても、菩提寺との関係から
その選択を実現するのは難しいことが分かりました。

まとめ
  • 仏式で葬儀をする人の中の半数ぐらいは戒名はいらないと思っている
  • 菩提寺から戒名をもらわないという選択は難しい。理由は2つ
    • 戒名をもらわないということは仏教徒ではないことになる
    • 戒名をもらわないということは菩提寺へのお布施の寄付を拒否したことになる
  • 菩提寺がない場合、「戒名なし」はありうるが、仏式としては矛盾している
  • 仏式にこだわらない供養方法の場合は戒名はいらない

私の両親はすでに他界しています。
二人とも仏教徒でした。
子どものころ、
母がおはぎやお赤飯を作ると、
ナンテンやミョウガの葉と一緒に
重箱にそれを詰めて、同じ町内にある
菩提寺に届けていました。
届けるのは、私たち兄弟の仕事でした。
父は、若いころからお寺の行事の
手伝いをしていました。
菩提寺を大切にしていたことを
今、思い出しています。

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