連日のように真夏日・猛暑日と言われる昨今の夏。
屋外・屋内の気温差で体力を消耗し、身も心もグッタリですよね。
そんな暑い最中、女性が葬儀や法事などの弔事に参列する場合、どのような服装が適しているのでしょうか。
最近では、機能性もデザインも兼ね備えた喪服が沢山あります。
なかでも夏らしく涼しげで可愛らしいデザインといえば、レース!
しかしレースには「オシャレに着飾るためのもの」というイメージがあります。
「弔事にレースの喪服はマナー違反になるのでは?」
と不安に思う方もいらっしゃいますよね。
今回はそのような不安を解消すべく、弔事別におすすめの夏喪服をご紹介いたします。
喪服にレースはマナー違反?
結論から申し上げると、レースの喪服はマナー違反ではありません。
ブラックフォーマルのコーナーには、レースをあしらったデザインのものが沢山あります。
しかしながら、レースはオシャレ度が高いアイテム。
見る人によっては好印象とも悪印象ともなり得る、非常に難しいアイテムです。
黒のレース地の喪服姿の、おばあちゃん素敵だった。夏用の、喪服レースいいな〜
— Yumi zawa (@YUMZAWA) 2012年6月20日
夏の女性の喪服って黒のレースが多用されるので、変に妖艶な感じになる気がする。人にもよるけど。私だったら家族のお葬式にそういうおばさまばっかり来るの嫌なんだけども…もうちょっとバリエーションないのだろうか。
— dome (@do_me26) 2011年7月3日
上記のとおり、ツイッターでも意見が分かれていますね。
何かと古風な私の祖母は、17回忌の法要に、黒の総レースのスカートを履いてきた人を見て、非常識だと顔をしかめていました。
しかし50〜60代の母親世代は「派手なデザインではないし、スカート丈も膝下だから、別に普通だよね」と話していました。
昔ながらの考え方を重んじる土地柄、年配の方が多い場面では、総レースは避けたほうが無難でしょう。
レースの喪服は、レースがあしらわれている面積やデザインによって、印象がガラリと変わります。
「大胆かつ肌の透け感も多い」レースのデザインだと、弔事には不向きです。
一方、袖のみ透け感のあるレースがあしらわれていてるような喪服なら、弔事の場面にもマッチします。下記のような喪服までなら許容範囲ですが、これ以上派手にになると喪服として着るのは控えます。
上記ツイートにもあるように、レースを多用していたり肌の透け感が多いと、妖艶に見えたり派手に見えたりしがちです。
どんなときでもオシャレを楽しみたいのが乙女心。
しかし弔事は着飾った姿を披露しに行く場ではないので、TPOをわきまえたデザインの喪服を選ぶようにしましょう。
女性必見!夏の喪服【弔事別】おすすめスタイル
ここでは「葬儀・告別式」「初盆」「仮通夜・3回忌以降」の3タイプ別に、夏にふさわしい服装をご紹介します。
暑いとはいえ弔事ですので、ラフすぎる格好はNGですよ。
マナーと快適さを両立させた服装選びを意識しましょう。
夏の【葬儀・告別式】では上着を着用
葬儀・告別式では、夏場であっても喪服にジャケットなどの上着着用が基本となります。
しかし真夏に上着を着たまま移動するのは暑いですし、会場に着く頃には汗だくになってしまいます。
会場へ向かう道中の上着は手に持つか鞄にしまうなどして、会場へ着いたら着用するのがベストでしょう。
ところで学生時代の夏休みのことです。
実家を離れ下宿していた友人が、急遽親戚の葬儀のため帰省したことがありました。
当時20歳そこそこですし、喪服は持っておらず、近くのショッピングセンターでノースリーブ黒のワンピースを調達したそうです。
百貨店のブラックフォーマルなどを覗いたことがなければ、ノースリーブ黒のワンピースも充分喪服っぽく見えてしまいますよね?
本人は良かれと思って購入したものの、お母様や親戚のおばさま方からは
「喪服でもないし、夏場とはいえ腕も出ているし、買ってこないほうが良かった」
「せめて大学の入学式で着た、黒のリクルートスーツを準備してきなさいよ」
など散々な言われようだったそう…。
結局友人は、お母様のおさがりの喪服で葬儀へ参列し「このワンピース出番なかったんだよね」と苦笑しながら後日談を語ってくれました。
葬儀・告別式などの場面では「少々カッチリしすぎかな?」くらいのフォーマルスタイルが基本だと心得ておきましょう。
レースの喪服を着るのであれば、もちろんデザインが控えめなものにしてくださいね。
なお、夏の喪服ジャケットについて詳しくは、以下の記事を参考にして下さい。
地域・家庭で差がある【初盆】の喪服
法要でお坊さんに読経をあげてもらうことが多いので、初盆では法要にふさわしい格好をする必要があります。
- 招く側=正喪服または準喪服
- 招かれる側=準喪服
が一般的なスタイルとなります。
とはいえ季節柄、初盆は暑さが厳しいのも事実。
母の経験談ですが、初盆に招かれ、喪服のワンピースにジャケット着用で訪問したら、遺族の方々がブラウスに黒や紺のスカートなどの略喪服スタイルだったそうです。
カチッとした格好が逆にその場では浮いてしまい、とても恥ずかしかったとのこと。
初盆では地域やご家庭によって、選ぶ服装に差が生じます。
招かれた場合には「当日はどのようなお召し物になさいますか?」とお伺いしておくとスマートです。
実際に私が経験した例を挙げると、四国の祖父の初盆には、ワンピースタイプの準喪服で参列しました。
遠方からの参列者にも控え室が用意され、読経の際には全員準喪服でした。
一方で、九州の祖父の初盆では祖母が「暑いから平服でいいよ」と参列者に声をかけたため、私を含め皆、白のブラウスやグレーなど地味目のトップスに黒のスカートおよび黒のパンツといった服装でした。
このように初盆では、招く側・招かれる側のスタイルが時と場合によってマチマチです。
服装についてはその都度確認しておいたほうが安心です。
【仮通夜・3回忌以降】は略喪服
仮通夜や3回忌以降の法要に参列する場合は、略喪服が基本スタイルになります。
女性の場合、略喪服には選択肢が多いため、迷ってしまいますよね。
私の経験上、以下のような服装の参列者がオーソドックスです。
- 5分〜7分袖の黒のワンピース
(喪服のワンピースをジャケットなしで着用するのもOK) - 黒もしくはダークグレー・紺などのスーツ
日頃からお仕事でスーツを着用されている方は、夏用スーツやそれに合うインナーもお持ちでしょうから、それを略喪服として着用してください。
年配の方が多い場面では、パンツスーツよりもスカートの方が印象が良いです。
私が祖父の3回忌にパンツスーツで出席した際、祖母や大叔母など(70代後半〜80代)からは
「なぜ、スカートのスーツにしなかったのか」
「そのスーツのセットのスカートは買わなかったのか」
などと質問攻めにあいました。
「お手伝いをするのにパンツスーツのほうが動きやすい」
と説明すると、ようやく納得してくれましたが…。
3回忌以降あたりになると、レースをあしらった上着を羽織っている年配の女性も多く見受けられます。
程よい透け感のものであれば、一部レースのワンピースやスカート、ブラウスなども着用して問題ないでしょう。
なお、喪服のパンツスタイルについて詳しくは、以下の記事を参考にして下さい。
夏の喪服はこれで決まり【ネット購入編】
暑い夏、喪服を探しに彼方此方へお買い物へ出かけるのはつらいですよね。
そんな時は、ネットで楽々喪服を手配しちゃいましょう。
まずはジャケット付きのワンピース喪服です。
レース部分の程よい透け感が涼しげですし、フォーマルな場面ではジャケットを着用すれば問題ありません。
以下の喪服もジャケット付きで、お値段はお手頃です。
長く使えそうな、シンプルで飽きのこないデザインです。
ワンピースはシフォン生地が使用されているものを選ぶと涼しげな印象となります。
自宅で洗える素材というのも助かりますね。
喪服購入時のポイントは「ジャケットとセットになっているものを選ぶ」ことです。
あとからジャケットだけを買おうとすると、デザインの合うものを探すのはとても大変です。
私には、一度ワンピースのみを購入し、ジャケットも必要だと後から気付き、結局セットタイプを買い直したという苦い経験があります。
ジャケットさえあれば葬儀・告別式などのシーンにも対応できるので、これから喪服を購入するという場合には、セットタイプをおすすめします。
喪服にレースはマナー違反?夏の喪服【弔事別】まとめ
「レースの喪服はマナー違反ではない」ことをはじめとして、女性の夏に適した喪服を弔事別におすすめしてまいりました。
- レースの喪服は控えめかつ肌の透け感が少ないデザインを選択
- 夏の葬儀・告別式でもジャケット着用
- 初盆では事前にドレスコードを確認
- 仮通夜・3回忌以降は略喪服(スカートが尚良し)
- 喪服を新調するならジャケットとセットになっているものがベスト
真夏の弔事では熱中症などにならないよう、涼しく快適な服装を準備することも重要です。
レースの喪服もデザインや面積に気をつけたり、ジャケットを併用したりすれば、問題なく着用できますよ。
ただし弔事に参列する上で最も大事なのは「故人を弔う気持ち」「遺族へのお悔やみの気持ち」です。
その想いを形に表す手段として、マナーを守った服装を心がけましょう。
なお、ワンピースの喪服のみでジャケットを着なくて良いかについて、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞ合わせてご覧になってください。